降谷先輩。 【降谷零】

その33 ページ35

*°


｢本当にありがとうAちゃん！お陰様で大盛況だよ！！｣


｢は、はぁ…どういたしまして…？｣


私の両手を握ってぶんぶんと振るクラスメイトの子。


なんでもいいけど早く着替えさせて…。


｢あ、あと、申し訳ないけど宣伝のために今日1日着ててもらうから｣


聞いてないんだけど！？


梨々実にヘルプの視線を投げるも


｢狼に食べられないようにね｣


と完全に他人事。


誰がうまいことを言えと…。


｢お礼にこれあげるから！｣


そう言って渡されたのは某クラスの出し物の優待券。


へぇ…縁日ねぇ…。


｢確かこれって有理ちゃんのクラスのじゃ…｣


言われてみれば確かに有理ちゃんのクラスである1-Bの文字か書かれている。


｢まぁ、行ってみますか｣


文化祭では結構独自の衣装を着ている人が多いためそこまで目立たないだろうと思い承諾することにした。



だがしかし、





梨々実と有理ちゃんの元へ向かっている道中、何度も写真撮影を求められてそれを断る度に承諾した事に後悔することになった。



｢超人気者だね｣



と茶化されたが無視しておいた。



聞いたところによるとファッションショーのモデルは毎年こうなるんだそう。



｢やっぱり着替えてきたい｣



｢諦めなさい｣

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