降谷先輩。 season2 【降谷零】 (ページ9)

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その9 ページ9

*°

そんなこんなでパーティ当日。

会場に足を踏み入れた途端嫌という程見知った顔が見えた。

｢…なんで先輩がいるんですか｣

｢僕も招待されていたんですよ｣

はぁ…なるほど…。

って誰が納得するもんですか！

どういうこと、と園子ちゃんたちの方を見ればもうそこにはいなかった。

…謀ったな？

ちなみに園子ちゃんの幼馴染みの蘭ちゃんはすごくいい子だった。

ついでに蘭ちゃんちの居候のコナンくんも紹介された。

そこまではよかったよ、そこまでは。

本当にどうしてコイツが…。

きっと睨めば近くに人がいないため安室透の仮面が剥がれて嘲笑が返ってくる。

｢それで？本当の目的はなんですか？｣

公安警察で潜入捜査中の身である彼が、大手企業の役職者や財政界の重鎮やらが多く集まるこのパーティに、タダで出席するとは思えなかった。

つまり、なにか裏がある。

本当に好奇心だったけど聞いてみたくなった。

が、

｢一般人には関係ないことだ｣

へぇー？先輩の秘密を私に話しておいて一般人呼ばわりですか。

ならばこっちにも考えがある。

｢そうですね、確かに一般人には関係の無いことです｣

先輩の方へとヒールを鳴らして歩みを進める。

先輩が一瞬警戒したのがなんだか面白かった。

｢ということで先輩の事情なんて知ったこっちゃありません｣

隣に並び、先輩の腕に自分の腕をするりと絡ませる。

触れた瞬間、少し身を強ばらせたのがわかった。

｢なので、私をエスコートしてください｣

どうしてそうなったのか自分でも分からないが。

勝ち誇って笑ってみせて、さらに耳元で囁いた。

ばらしてもいいんですか？

と。

まったく、我ながら悪い女。