鶴の妹、本丸に拾われる

14話 ページ16

『では改めて、自己紹介をさせていただきます。私はA国永、織田の宝刀と言われた刀です。しばらくのあいだ、この本丸に居候させて頂きます。』



鶴丸「俺の妹だ！どうだ？美人だろう！」



兄様……恥ずかしいのでやめてください……



燭台切「鶴さんは本当に妹のことが好きだね。」



鶴丸「あぁ！自慢の妹だ。」



そう言って兄様は私の頭を撫でた。



『に、兄様……！恥ずかしいのでそろそろ……』



鶴丸「まだ良いだろう？今まで会えなかったんだ。」



『確かに会えませんでしたけど……でも皆様がいる前でやめてください！』



ほら、皆様がみていますから……！



三日月「はっはっはっ、兄妹仲が良いというのは良いことだ。」



あれは、天下五剣の三日月宗近様……！



息を飲むほど美しい……



そういえばあの本丸には居なかったな。



まぁ、居なくて正解だったかもしれないけど。



『噂に違わぬ美しさですね。三日月様、会えて光栄です。』



三日月「そんなにかしこまらなくても良い。気楽にいこう。」



『ふふっ、ありがとうございます。』



三日月「はっはっはっ、笑うとより可愛らしいな。」




『あ、ありがとうございます……？』



三日月様がそんなことを言うなんて驚いた……



鶴丸「おっ、こいつは驚きだぜ！三日月もうちのAを気に入ってくれるとはな。」



三日月「じじいは美人に目が無くてな。」




なにを言ってるんですか三日月様……



気に入ってくださっているのなら良いのですけど。



あっ、そういえばあの刀は居ないのかしら。



初期刀様に聞いてみよう。



『あの、初期刀様。』



加州「清光でいいよ。どうかしたの？」



『私、ずっと会ってみたかった刀がいて……』



加州「へぇ……誰なの？」



確か信長様はへし切、と言っていたはず。



『確か、へし切という名前の刀だったはずです。』



加州「あぁ、長谷部のこと？長谷部ー！」



長谷部「へし切は俺のことだが……？」



あぁ、この人がへし切長谷部様。



ようやく会うことが出来た。


『初めまして、やっと会えましたね。へし切長谷部様。』

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