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何時間経ったんだろう
消毒のアルコールのにおい
秒針回す電池の音
短針の動く音
自分の心臓の音
横で一緒に手術終わるの待ってくれてるはるちゃんのにおい
聞こえてくるはるちゃんの心臓の音
私を少しでも安心させようと握ってくる手から伝わる体温
静かな空間は五感を鋭くさせて
全てを感じさせてくる
涙腺が壊れたように
ずっと止まらないで零れる涙
何度も涙を拭ってくるはるちゃんの指は熱く
私の頬をやけどさせるかと思った
「はるちゃん」
「ん」
「大丈夫だよね、」
だって、私を置いて死なないって、
蘭ちゃんとりんちゃん約束したもん、
約束、してくれたもん、
パパみたいに帰ってこないで死なないって、
ママみたいに目の前で死なないって、
大丈夫、きっと、
蘭ちゃん、りんちゃん、お兄ちゃん達は
「きっと大丈夫だよね、」
「大丈夫、あのバカ兄貴共はお前と約束したんだろ?
殺しても死なねぇような2人だから
お前はそのまま信じて待っててやれ」
ぎゅうっときつく抱きしめて
背中摩ってくれるはるちゃんに腕を回して
また止まらない涙をそのまま流す
3年前のクリスマス、はるちゃんのシャツに縋り付いて
泣くしか出来なかったあの時と同じ
所詮泣くことしか出来ない無力なただの小娘なんだ
「A、2人は?」
「まだ、」
「もう深夜だし寝てろ、先生来たら起こすから」
「んん。起きてる」
まんじろーもココさんと一緒に来て手術のランプが消えるのを待っててくれた
「Aちゃん、あいつら2人の手術は成功したよ
でもしばらく薬で目は覚まさないだろうけど
大丈夫だから安心してね。
竜胆、胸撃たれてたけどAちゃんに助けられたみたいだぞ」
「え?」
先生がりんちゃんの上着の胸ポケから取り出したのは
手鏡。
私に羽織を貸してくれた時に
手鏡使ってそのままりんちゃんの上着にしまったのを忘れてた。
「竜胆、胸元にも1発撃たれてた。
これが無かったらそのまま心臓破ってたよ」
蘭ちゃんが買ってくれたその手鏡は
銃弾を受け止め変形させていた
私が守ったんじゃない。
蘭ちゃんが守ったんだよ、
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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時