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ひとらんさんに手を引かれ、今は図書室へと向かっている。エーミールさん、という人に会いに行くらしい。私としては別に仲良くしたくないし、早く帰りたい。…帰れる所、あるかな。
皆んなは今何をしてるんだろう。家族は私を探してくれてるのかな。学校には友達と呼べる人は居なかったけれど、誰か1人でも私の事を心配してくれているかな。なんて、虚しいだけだから考えるのはよそう。
「此処が図書室ね。中にエーミール居ると思うから、入って良いよ。ゴメンね、俺は仕事入ってるから一緒に行ってあげられないんだ。エーミールに話は通してあるから心配しないで。」
優しく背中を押され、図書室へ入った。ひとらんさんと居るとお母さんを思い出してしまうから、正直嬉しい。自分が此処に染められていく気がして、嫌だった。
巨大な本棚の間を潜り、浮かぶ本を避けながらエーミールさんを探す。何処からか黒い影の様な蝶が飛んで来てクルクルと周りを飛んでいた。
「おやAさん。おっと、名乗らず女性の名前を呼ぶのは不躾でしたね。私、エーミールと申します。此処の司書のような役割をしています。」
座っていたエーミールさんであろう人物が立ち上がり優雅にお辞儀をされ、慌ててこちらも返した。余りにも本棚の背が高いので隠れて見えなかったが、部屋の中心には読書をする為であろうそこそこ大きな机と、ソファーが２つ置かれていた。
「Aです……あの、この蝶…」
私の自己紹介を待っているエーミールさんに名前を言って、音の無い空間が嫌で何とか話題を見つけようとした。随分と間が空いてしまったが、幾ら物腰柔らかい男性でも敵は敵、警戒してしまうものだ、許して欲しい。
「その蝶は私の使い魔です。人間は使い魔を持ちませんからね…まぁ、お手伝いさんの様なものです。その蝶は私と感覚を共有している為、潜入調査にはもってこいなんですよ。」
勿論監視にも、と言い放ったエーミールさんは、やはりまともでは無い。ぺ神さんの次位には良い人そうだなと思ったのに、どうやら予想は外れてしまったらしい。
ソファーへ座るよう促され、若干迷いが生じたが雰囲気が冷たくなったのを感じて直ぐに座った。エーミールさん、怒らせたらいけないタイプだ…
「折角ですから、紅茶でも如何ですか？良い茶葉が手に入ったんです。」
有無を言わせない威圧に、頂きます、と答えるしか出来なかった。
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ゆう - 幸せなハッピーエンド(?)になって良かったです!! (5月22日 22時) (
レス) @page42 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - 上から目線失礼致しました (4月27日 23時) (レス) id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - ハッピーエンド感が漂ってますけどなんて言うんやろ深く？見たら意外とバッド？エンドですね！まぁ夢主ちゃんや、d！の人達が幸せなら私は何でも良いですけど。 面白い作品ありがとうございました！ 他の作品も好きです！これからも応援しています。頑張ってください (4月27日 23時) (レス) @page42 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
杏豆 - とってもおもしろかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2022年9月3日 11時) (レス) @page43 id: d80eb34582 (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。(プロフ) - コメ失礼します。大好物が詰まりに詰まっていて無事昇天することができました!!素敵な作品をありがとうございます!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page43 id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年7月22日 21時
