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「ん〜何から聞こうかなぁ…俺らの事どう思っとる?へぇ、敵ね、まぁ今はええよ。じゃぁ家族の事はどう思っとん?」

最初の質問はそれ程意味が無かったのか、オスマンさんの自問自答の様に思えた。家族ね…いや、考えちゃいけない。意識を家族から逸らそうとするも、会いたいからか、それとも家族に対する承認欲求が強いからか、如何しても出来なかった。

「誘拐届出されとったよ、でもそれだけ。別に探してないんやないかな、情報はロボロの管轄やし、聞きたいならロボロな。Aちゃんのお兄ちゃんもお姉ちゃんも、普通に大学行っとるらしいよ。Aちゃんが居らんでも普通の生活、送れてるめう〜」

オスマンさんから聞いた知りたい事は、私にとって知りたくない事だった。体の自由も利かないし、心の制御も利かない。目に映る深緑は毒でしかなくて、眼底が熱くなったがぎゅっと目蓋で蓋をして、涙を溢さないようにした。

「言ったじゃん、泣いても大丈夫だって。ほら目、腫れちゃうでしょ。はい泣いて良いよ。もう少し頑張ろうね。」

ひとらんさんに頭を撫でられる。此処に来てから何度も体験した事なのに、今に限ってお母さんを思い出してしまって、折角押さえ込んでいた涙は堰を切ったように流れた。

「もう、優しくしてあげるの早いんやない?Aちゃん、今ひとらんとお母さん重ねたやろ、Aちゃんのお母さんってそんな優しい人やったん?お父さんもやで、正直シッマの方が褒めてくれるし、一緒に居て楽しいんやない?」

お母さんが最後に撫でてくれたの、いつだっけ。お父さんが褒めてくれたのは?不安だけが募っていった。お兄ちゃんもお姉ちゃんも、日常を送っているなんて。最初から、私なんて居なかったみたいに。

「お兄ちゃんはショッピ君が居るやん、お姉ちゃんは…まぁ要らんかな。寂しいやろ、不安やろ、よく分からん感情が渦巻いとんやろ。その気持ち、俺なら代弁してあげれるめう〜。Aちゃんが抑圧しとる深層心理、聞きとうない?」

ひとらんさんは飽きずに私の髪を弄んでいる。オスマンさんの雰囲気は一気に優しくなった気がした。気疲れかもしれない、身体が怠くて頭がほわほわとして、何も考えず頷いてしまう。

「……Aちゃんは、家族なんか要らんって思っとるんよ。」

そっか、そうかも。私、必要として無いのかな。でも、でも私…

「家族の事は分からない、でも私には、待ってる子が居るから!」

自分の叫ぶ声を最後に、意識が途絶えた。

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ゆう - 幸せなハッピーエンド(?)になって良かったです!! (5月22日 22時) (レス) @page42 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - 上から目線失礼致しました (4月27日 23時) (レス) id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
はゆり - ハッピーエンド感が漂ってますけどなんて言うんやろ深く?見たら意外とバッド?エンドですね!まぁ夢主ちゃんや、d!の人達が幸せなら私は何でも良いですけど。 面白い作品ありがとうございました! 他の作品も好きです!これからも応援しています。頑張ってください (4月27日 23時) (レス) @page42 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
杏豆 - とってもおもしろかったです!素敵な作品ありがとうございました! (2022年9月3日 11時) (レス) @page43 id: d80eb34582 (このIDを非表示/違反報告)
きつね君。(プロフ) - コメ失礼します。大好物が詰まりに詰まっていて無事昇天することができました!!素敵な作品をありがとうございます!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page43 id: f4cd021470 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://around-the-clock  
作成日時:2020年7月22日 21時

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