#3 ページ15
［桃］
祭りの見回り途中に偶然見つけた女の子、Aちゃん。こんなに心が綺麗な人間は初めてやわ…平安時代頃から生きていたが、人間の心なんてドス黒いとばかり思っていた。
それと同時に湧き上がる怒り。オスマンは、こんな可愛い子を邸に閉じ込めていたんか…許せへんな。この子を家に帰しても、またオスマンに捕まり2度と日が拝めなくなるのがオチだ。よう逃げてきたなこの子、オスマンが愛し子を手放すなんてせえへんよ、普通。
これは、チャンスなのではないだろうか。Aちゃんの記憶なんていくらでも書き換えれる。このまま家の座敷牢に閉じ込めて、愛でるのが正解では。
「なぁ、Aちゃん。俺がAちゃんの心をずっと覗いてたって言ったら、どうする？」
Aちゃんから返ってきた返事は嬉しいものだった。怖がらないでくれるのか、自分を、同胞の神にも疎まれるこの力を。
やっぱり帰せんわ、Aちゃん。こんな可愛い子、人間界に置いといたら可哀想やろ？心だって、ズタズタになってまうやん。オスマンにも渡さへん。一緒に、此処で楽しく暮らそうな。
家に着き、Aちゃんを客間に通して飲み物を用意する。空中からふわりと現れた杯に興味津々のようだ。杯は酒で満たされている。
「Aちゃん、オスマンが此処を嗅ぎつけんように、これ、飲んでもらってええ？
キツいと思うけど、手伝うから、な。」
Aちゃんは少し渋った。そりゃぁ未成年やもんな。
焦ったくなった俺はAちゃんを抱き寄せ、頭を固定し杯を口に当て斜めにする。当然酒はAちゃんの口に流れ込んだ。呑みきれなかった酒が首筋を伝う様子は何とも官能的である。
最初は抵抗していたAちゃんも酒気にあてられたのだろう、顔を赤くして倒れ込んでしまった。
「Aちゃん、神隠しに帰りは用意されてないんよ。
オスマンから逃げたと思ったら次は俺…つくづく可哀想な子やなぁ」
嘘、可哀想だなんて一寸も思っていない。これから始まるAちゃんとの新婚生活を思うと胸が弾む。よろしくな、奥さん。初夜は焦らんでええよ。慣れたら、ゆっくりしような。
時間は沢山ある。幾らかかってもええから、俺に、Aちゃんのもつ愛を全部頂戴な。勿論、俺もちゃんとあげるから、心配せんでもええよ。
逃すものかと、抱き締める力を少し強めた。
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ロイエ - やばい、同志がここに居た。(本音:ヤンデレ大好き！逆ハー万歳！！)はい。 (2022年1月10日 23時) (
レス) id: 32127d00d4 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - マイソさん» 是非しましょう((( (2021年1月24日 14時) (レス) id: b57bb5d927 (このIDを非表示/違反報告)
マイソ - あああわかります。じわじわきて捕まる。それが萌えるんじゃぁ…趣味が合いすぎます。結婚して彼らのこといっぱい話しません(( (2021年1月16日 23時) (レス) id: 05f946baf6 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - 地稲さん» きっと美味しいです炭なんて作らないよ(震え声)そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年8月1日 21時) (レス) id: d6a456411c (このIDを非表示/違反報告)
地稲(プロフ) - 妖精さん妖精さん…。眉毛英国紳士ポジは彼なんですね分かります。いやぁ彼の作る料理は美味しいんだろうなぁ(震え声)共依存は大好物ですありがとうございます。 (2020年8月1日 15時) (レス) id: a7f6c2fae7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠
| 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2020年5月25日 3時
