すれ違う2つの心は

82nd Love ページ37

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side...Yamasho





あの後、意外な果歩の発言によってその場は収まって、今はリーダー達が楽屋に戻ってくるのを待ってる。



メンバーそれぞれが自分の時間を過ごしている中、俺は隣に座っている果歩に話しかけた。





山彰「良かったの？まこっちゃんのとこ行かなくて」



「え？さっきの話聞いてなかったんですか？仕返しですよ、仕返し」



山彰「いや、聞いてたわ。そうじゃなくて、行きたいんでしょ？ほんとは」





果歩は自分に偽りなく突っ走る人。



その心の内にはきっと優しさしかない。



憎しみも怒りも苦しみも果歩の心は優しさに変えてしまう。



要するに裏がない。遠回しの優しさも気遣いの優しさも果歩の心にはないってこと。





いつもストレートに心配して慰める果歩だから、今日の発言に少しだけびっくりした。



だけど、きっとそれは優しさじゃなくて自分の気持ちを押し殺しただけ。





「行きたくないは嘘だけど、たまには1人になりたいでしょ」



山彰「俺は果歩が逃げてるようにしか感じないけどね」



「…………」





勇征のこと、壱馬のこと、村崎さんのこと。



話したいことも聞きたいことも溢れる程にあるくせに、



まこっちゃんに拒否られたら、



聞いてもらえなかったら、信じてもらえなかったら。





そんな不安にかけられて押し潰されそうになってる。





「………流石だね、山彰さん」



山彰「当たり前。俺、まこっちゃんの次に果歩のこと一番分かってるから」



「…慎の次なら2番目だよ」



山彰「そんな細かいこと気にしてたら人生進んで行けないぜ？」



「笑なに？その喋り方」



山彰「山彰の格言」



「ありがとう………………でも、もうちょっとだけ逃げててもいいかな」



山彰「話ならいつでも」





逃げたい時は逃げる。忘れたい時は忘れる。





逃げては行けない。



そんな言葉どこでだって聞くけど、俺はそうは思わない。





逃げたいなら限界まで、逃げるところがなくなるまで逃げればいい。



後ろに進めなくなったらまた前に進むしかないから。



後戻りして、もう一回前を向いたらきっと歩き出せる。









何？俺のことかっこいいと思った？



知ってる〜！！！





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