すれ違う2つの心は

69th Love ページ23

.
side...Hokuto





やばい。



そう思ったが既に時は遅し。



壱馬はまこっちゃんの腕を掴みあげて睨んでいる。





壱馬「なぁ、聞きたいことあんねんけど」



慎「……なんですか？」





少し怯みながら言い返すまこっちゃんからも怒りを感じられて、隣に座る山彰さんとその前にいる瑠唯さんが身構える。





壱馬「昨日、何してたん」



慎「目黒にいましたね」



壱馬「誰と？」



慎「それを教える必要は？」



壱馬「あるから聞いとるってことくらい分からんわけないやろ、なぁ？」



慎「僕はそれを教える必要がどこにあるのか分かりません」



壱馬「女優の村崎さん」



慎「………」



壱馬「当たりやろ」





ただただ驚き。



まこっちゃんが他の女の人といたということに。





あんなに果歩が大好きで、メンバーとくっついてるだけで嫉妬するまこっちゃんが他の女の人と一緒にいた？



そんなはずないと思っても、まこっちゃんの果歩への愛と同じくらいまこっちゃんのことが大好きな壱馬が見間違えるはずもない。





慎「……それがどうかしました？」



壱馬「見損なったで、慎」



慎「壱馬さんにそんなこと言われる筋合いなんて無いと思いますけど」



壱馬「あ？もっかい言ってみぃ！」





今まで何年も一緒に過ごした中で初めて見た壱馬とまこっちゃんの喧嘩。



壱馬は自分の意見をはっきり言うタイプだけど、あんまり自分をさらけ出さないまこっちゃんがあの壱馬に食い付いてるっていうのがただただびっくり。



これにはリーダーのLIKIYAさんも陣さんも呆気にとられている。



そして、ここから2人の喧嘩は更にヒートアップしていく。





壱馬「お前、果歩のこと好きちゃうんか！」



慎「壱馬さんに何の関係があるんです？」



壱馬「果歩が好きなら他の女と居んなっつってんの！」



慎「僕の自由ですよね？果歩といようが他の女といようが」



壱馬「本気か！？慎！」





今にも殴りかかって行きそうな壱馬と冷静ながらもメラメラと怒りの炎を燃やすまこっちゃん。



流石にやばいと思い始めて慌てて止めに入ろうとする。




北人「ちょ、ここ楽屋だから！やめよっ………………って、」





壱馬とまこっちゃんの間に入って壱馬の腕を掴んだのとほぼ同時に体に激痛が走った。





.

70th Love→←68th Love

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す