【あんスタ】誠に僭越ですが！！《七種茨》（１５-２）

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IBARA



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七「…！？」





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閣下の語勢の強い声。




肩を掴まれ、向き直される。





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乱「私を見て、話を聞いて」




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片膝立ちをする閣下が、真っ直ぐに俺を見た。





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乱「私たちの軽率な発言が、茨を不快にさせてしまったことは謝るよ」







乱「ごめんね、茨」




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悲哀が混じった瞳。





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乱「…ただ、」





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乱「“その状態”でステージに立つことは、また別の話」








乱「そんなこと、私は許さない」






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しかしそれが、一瞬にして豹変する。





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乱「今の茨には“意思”というものが欠落してしまっている」








乱「私たち、Edenの勝利に対する確固たる意志が」







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乱「どうして？」








乱「何がそんなに不安なの？」








乱「一体、何が茨をそこまで責め立てているの？」





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俺の肩を掴む閣下の手に、


グッと力が込められたのが伝わる。





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乱「茨、しっかりして」





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乱「私たちは手を重ね誓ったはずだよ」








乱「完璧な勝利と共に、Aさんに届くようなパフォーマンスをすると」





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乱「また、それをいちばん願っているのは他でもない」





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乱「茨だよ」




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乱「我を忘れるほど、必死に食らいついて、」









乱「顔に傷を作ってまでこのライブに挑もうとしているのは、」






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乱「茨だよ」





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七「っ…、」





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閣下のその言葉に、“今までのこと”が


走馬灯のように一気に押し寄せ、


今まで全く気にならなかった頬の火傷の鈍痛に


ハッと、した。





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乱「…フフ、目の色が変わったね」





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「これでもう大丈夫だね」と、目を細める閣下。




添えた手はポンと一度だけ跳ね、肩を離れた。





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乱「さぁ、行こう」






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あぁ、そうだ。




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俺は、アイドル。





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乱「皆が私たちを待っている」





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“あなた”のために、歌い、踊る。





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“あなた”に、誇れるように。




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