。。。712 ページ39
IBARA
−−−−−
.
佐賀美氏が都合を付けてくれた
緊急外来から戻ってきた。
.
これがまた、思っていたよりも時間がかかってしまった。
というのも、顔に痕が残らないよう
しっかりと処置をしてもらっていたのだから、
俺は文句を言う資格はない。
.
.
《 ウィン… 》
.
自動ドアを抜け、広がるのは
ガランと、かなり人気のなくなった1階フロア。
ビル全体の定時刻も過ぎ、
いるのは残業をしている稀な者と
ごく一部のアイドルたちくらいだろう。
.
.
___コツ。
.
.
ふと、背後に人の気配。
.
.
天「病院に行ったと聞いたけれど、治療は……、」
.
天「…大変だったね」
.
.
振り向くと、猊下の姿。
話し途中だったが、俺の顔を見るなりハッとして
穏やかな表情は変えずとも、眉尻を少し下げた。
.
.
天「近くで見ると“なかなか”だけど、ステージに立てば気付かれにくいかも知れないね」
七「えぇ、何やら皮膚再生に長けた素材を用いた火傷専用の治療シートのようです」
.
七「顔は人間の中でも皮膚の薄い部分」
七「難儀な治療と伺いました」
.
.
返ってくる猊下の相づちは力ない。
よくよく見てみれば、猊下も疲れの色が伺えた。
きっと暴発の件について、
今の今まで対応をしていたのだろう。
.
.
七「お手間を取らせ、申し訳ございませんでした」
.
天「何を言うんだい」
天「君は言わば被害者だ」
天「僕のことを叱責してくれたって構わない立場にいるんだよ」
.
.
猊下の主張も言い分もわかる。
.
しかし、俺にはそんな気は更々なかった。
.
.
七「自分でも不思議ですが、」
.
七「“嫌な気分”では、ないんですよね」
.
.
828人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じまさき(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!そちらの方とあとはぷらいべったーでの更新も考えていますので、お待ちいただければ幸いです* (2022年11月12日 0時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - また私の我儘になってはしまうんですが、make love(?)の方も書いて頂けたらと思います!何度もすいません🙇♀️ (2022年10月11日 23時) (レス) @page47 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。完結後のその後のエピソードは書きたいなとは考えているので、実現させたいと思います…!貴重なご意見ありがとうございます* (2022年10月11日 23時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️このお話が完結したらこのお話の番外編みたいなのが読みたいなと思っています。私の我儘ですがじまさきさんがよければお話しを作っていただきたいです。 (2022年10月2日 0時) (レス) @page45 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じまさき | 作成日時:2022年6月12日 23時