記憶の果てに【最後の日を共に】 (ページ1)

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序章ページ1

とある昼下がり

現国の授業をBGMに、頬杖をつき、やる気の失せるような曇天を眺めていた。

教室の空気は濁っていて、どうしようもなく吐き気がした。

教師の服装はくたびれていて、気の抜けた声で授業を進めている。
あまりの退屈さに、俺は密かに欠伸を噛み殺した。

ふと、時計が視界に入る。

後、三十分か。

まだ半分も終わってないことに肩を落としつつ、また窓の外に意識を戻す。

どんよりとした鈍色の空を見つめ、重くなる気分に溜息を溢す。

俺の世界は色を失った。

そんなクサいセリフを言えるぐらいには参っている。

数年前流行ったロックバンドの曲を口ずさみ、味気の無い毎日を思い浮かべた。

目標も未来もない。

繰り返される日々に絶望を覚えていたのはいつのことだろうか。

色褪せた筈の過去が目の前にある。

一体どんな気持ちでいればいい？

どうしようもなく近づく最後(めつぼう)に苦笑を禁じ得ない日々。

なんの力も持たぬ非力な自分に訪れた二度目。

一体俺に何を求めているのか、さっぱりだ。

自棄になってるのも自覚してるし、そんな自分に自嘲する。

悔いなんてなかったし、変えようとも思わない。

最果て(ゴール)が定まった二回目の日々を俺は今日も過ごしていく。