10点上がった ページ7
日向、お客さん、とキャプテンに呼ばれて振り返れば、おずおずと顔を出す俺とノヤさんより小さいクラスメイトの女の子。
｢十河さん！｣
｢日向くん、小テストの採点終わったから、その解説するね｣
｢オッケー！ありがとう！入っていいよ！｣
｢いや........扉越しで大丈夫です........｣
｢おれ絶対それじゃ理解出来ないんだけど？！｣
ギョッとして目を丸くすれば、後ろの頭上から月島の｢確かに、おチビは5回くらい同じ説明しないと理解出来ないもんね。自分でよく分かってるじゃん｣と馬鹿にするような声が聞こえてきた。
｢月島腹立つ......！っけど事実なので！入って解説お願い！｣
十河さんが入りずらいのは分かる。今この部室には俺と月島、2年生と3年生が揃ってて、なかなかに威圧感が凄いのは本当に分かる。でも部活が始まるまであと20分もない。
｢十河さん、大丈夫だから入っておいで｣
鞄を置いたらしいキャプテンが、おれ達に話す時より少しだけ優しく声をかけた。
十河さんはちょっとまだ躊躇してたけど、ここで立ってるのも仕方が無いと思ったらしく、そろそろと部室へ足を踏み入れた。
｢とりあえず点数だけ言うね。18点｣
おれは言われた数字に驚いて固まってしまう。因みに1回目とおなじ50点満点中の18点だ。月島の吹き出す声が聞こえる。菅原さんは｢日向ぁ〜、もうちょい頑張れ｣と苦笑している。キャプテンの方はちょっと怖くて向けない。
｢間違えたところ説明するから、部活終わったらすぐ解いて、明日私のところまで持ってきてね｣
｢う、ウィッス！｣
白くて細い指先が問題を指して説明してくれるんだけど、おれの頭は全く理解できない。
｢ご、ごめん........ちょっともう1回お願いします........｣
｢分かった。どこら辺？｣
｢全部........｣
｢え？｣
項垂れながら全部ともう一度告げれば困惑しきった声が再び聞こえる。
｢えっと、わ、私の説明分かりにくいかな........｣
｢いいいや！！もう月島より優しいし全然分かりやすいと思うんだけど！｣
｢チョット、日向？......日向が頭悪すぎなだけで十河さんの説明はいいよ｣
｢確かに十河さんの説明分かりやすいから、大丈夫｣
月島とキャプテンもフォローしてくれて、他の先輩達も｢大丈夫だべ？｣と頷いてくれる。十河さんは少し恥ずかしげに目元を朱に染めて｢そ、ソウデスカ｣た俯いた。
｢じゃあもう1回するね｣
｢ありがとう！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 527人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちんすこう - 更新しないんですか？凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです！ (2020年5月12日 10時) (
レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね･･･！知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 | 作成日時：2019年9月8日 20時
