いつも通り ページ23
｢じゃ、そーゆー事だから。ヨロシク｣
｢ちょっ、碧、鍵渡すだけでいいでしょ？何で一緒に帰る必要ある訳｣
慌ててAが碧の腕を両手で掴む。引き止められた碧は目を見開いた。何時も通り頷いてくれると思っていたのだ。
｢だから、不用心だろ。危ねぇって｣
｢大丈夫だよ｣
頑なに拒否し続けるAに面倒くさくなった碧は｢もー、いいだろ別に。ついでに飯食いてぇし｣と本音を零した。直ぐにそれが目当てだと気づいたAは普段自信なさげに下がっている眉を釣り上げて、眉間にシワを寄せる。
｢それが本音？........食い意地張ってる｣
｢はーァ？！減るもんじゃねぇべ？｣
｢減るでしょ！ウチの食材が！｣
｢スーパー寄ればいいだろ。近所空いてる店あるじゃん｣
シチュー食いてぇ、と碧が呟けば、Aは不機嫌そうな表情をしたが仕方が無いと無理やり納得したのか、引き止めていた手を離した。
｢皿洗いと洗濯物畳んでね｣
｢ウゲ｣
｢ウゲじゃない。してくれないならシチューにブロッコリー追加｣
｢やりますやります｣
くるりと手のひらを返した碧がサンキュ、と笑えば、Aも釣られて表情を緩めた。
｢んじゃ明日なー｣
ひらひらと手を振ってサッカー部の部室へ身体を向ける途中、バッチリと澤村と目が合った。
(...............、へーえ)
いいもん見たわ、と鼻で笑って、碧はバレー部から離れた。
........何か、視線感じる気がするなとAは冷や汗をかいた。
坂ノ下商店の小さなテーブルで、日向、影山、谷地と向かい合わせになって座っているのだが、周りと、目の前に座る日向影山からの視線が痛い。
｢えっと、日向くん？手が止まってるけど........｣
｢エッアッ！ゴメン！！｣
｢う、うん........｣
わかんない所あったら聞いてね........、と付け足して、周りの視線から出来るだけ逃げようと身を縮こませる。谷地より少し背が高いくらいの彼女がさらに身を小さくさせると、本当に小動物感がある。
なんだか可哀想なことしてる気分だ、と菅原が頭の片隅で思って、苦笑した。
(けどなぁ、大地がなぁ)
ちらりと横に目を移せば、いつも通りを装っているバレー部主将の横顔がうつる。日向と影山の変人コンビを監視している風だが、目が据わっているし、時々不機嫌なオーラがひょっこり顔を出しているから、付き合いの長い菅原や東峰からしてみれば、今の澤村は全くいつも通りではなかった。
(人見知りだし、人と関わるの苦手そうだから気を配ってるだけだと思ってたんだけど)
違うのかもな、と菅原は考えて、面白いなぁと笑った。
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ちんすこう - 更新しないんですか？凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです！ (2020年5月12日 10時) (
レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね･･･！知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月8日 20時
