9 タイムループ ページ9
side 青
クラスレクは多数決で体育館での球技になった。
昼過ぎに体を動かすだけの授業になったのは有り難かった。
単純に昨日の寝不足。
小瀧に目の前で初めて泣かれて、そんな顔のまま見つめ返されて、根拠のない自信も期待も消え去った筈なのにまだ、
出会いたてみたいに俺の中に残って、繰り返そうとする気持ちが苦しい。
一晩全力で挫折しようとして、挫折できなくて。
けど諦めるしかなくて。
あんな風に、泣かせるくらいなら
諦めた方がきっと楽になれる。
でも、
でも、やなくて。
そうや、濱ちゃんにも事情伝えられたんやし、
濱ちゃんなら何とかしてくれるかもしれんし、
濱ちゃんになら小瀧も心開いてるみたいやし。
小瀧、濱ちゃん、小瀧、をループで頭に浮かべては、これでええんか、とこれでええんや、の自問自答を繰り返した。
寝不足や。
もう、こんな毎日が続くのはしんどい。
今日は小瀧のこと、思い出さずに眠れますように。
バスケはサッカー程詳しくないけど1on1や3×3なら友達と楽しむ位ならできる。1on1ほぼしげとしかせんけど。そういやしげおらへんな、と見渡せばドッジのコートでボールを振りかぶっていた。
流星始まるで！
クラスメイトの声が、実際の距離以上に遠くに感じる。
──小瀧とやったらええ勝負になりそうやな。あいつ身長高いし、
「・・・・も、・・止めろ」
どうにかならへんか。
この思考回路。
小瀧、小瀧、って。
もう止めてくれ。
「流星危ない！」
ティップ・オフのボールが真正面に飛んできたのを、咄嗟に避けきれず頭に受けた衝撃に、軽く尻餅をついた。
「流星！大丈夫か」
「・・ごめん、大丈夫」
「端で休みや」
そう肩を叩かれてコートを出ると、後ろからまた続け様、衝撃音と誰かの叫びが聞こえた。
聞き慣れた名前に思わず振り返ると、デジャヴみたいな、けどさっきの自分よりずっと派手な倒れ方してるしげがクラスメイトに周りを囲まれてた。
「ごめん、ちょっと」
人垣を分けてしげの側に寄ると、倒れた時に打ったみたいで後頭部を抑えてはいるものの、俺を見つけてへらっと笑った。
「・・・何しとん、立てるか？」
自分のことを棚にあげて手を差し伸べると、ふらつきながら立ち上がったしげのこと、抵抗されながら無理やり背中におぶった。
保健室行って来るって担任に言っといて。クラスメイトにそう声をかけた。下ろせや、と暴れるしげを無視して、脱げたしげのシューズの片方を拾った。
──
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まいん(プロフ) - Noさん» ありがとうございます。わざわざコメントまで書いていただいて恐縮です。すみません。そんなふうに言っていただけてこちらこそ本当に嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年4月30日 22時) (
レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - かこさん» Oh…ありがとうございます(泣)こちらこそ早速ご覧いただき本当にありがとうございます。お待たせしてすみませんでした。 (2021年4月30日 22時) (レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
No(プロフ) - ずっと待ってました>_<本当に嬉しい限りです。 (2021年4月30日 18時) (レス) id: a928634097 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - まいんさん» ずっと待ってました（ ; ; ）更新してくださって本当にありがとうございます！ (2021年4月30日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - 名無しさん» お恥ずかしいです。もったいないご感想で恐縮です。そして嬉しいです。私の小説に対してなのか不安になってしまうほどです。何かの間違いでなければ、本当にありがとうございます。 (2021年4月30日 11時) (レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいん | 作成日時：2019年9月6日 19時
