条野さん家の住み込みメイド２

2.火曜日の昼のメイドさん２ ページ31

PM3：30＿＿





『あの、もう目的とか関係なしで帰ってくれません？？？』

「いや、それは無理だな。」


『何でだよ？！』



「其れよりお腹が空きました。ご飯ってありますか？」

『私はお前のメイドじゃねぇよ。条野さんのメイドだわ。
　•••••あ。』



「は？••••メイド？？」


『あっいや、違くてね•••いや、違わないけど•••ま、まぁちょっと色々と事情が、ね？』


「お、おう••••」



「取り敢えず、何か食べるものは無いかい？」


『だからぁー！貴方、空間操作系能力なんだから其れで食べ物を取ってくれば良いじゃない。』



「んー。食べ物か•••じゃあ、適当に取っちゃおう！！」





そして道化師が異能を発動し、羊羹を出してきた。


『•••そう云えば今思ったけど、名前なんて云うの？』


「ゴーゴリ。ニコライ・ゴーゴリだよ。よろしくね、美人さん。」

『美人さんではなく”A”だ。』





「にしてもこの羊羹、何か変な匂いがしねェか？•••」

「確かにそうですね•••。」

「ちょっと！私がせっかく取り出した食べ物に文句を言わないで！！」





『え••••』




羊羹？ちょっと待って。羊羹、羊羹••••あ。




私は急いで冷蔵庫の中を除いた。今朝、冷蔵庫の中に置いてあった羊羹が消えている。
真逆•••





私が作った嫌がらせ弁当にするつもりだった羊羹に醤油を掛けたヤツでは！？••••

すると後ろから頭をガシッと掴まれ、両肩にはポンと手を置かれた。






『••••(汗)』


「なァ、Aチャン此れは如何云う事だァ？？？」

「恐ろしいモノを作りますね、Aさんは。」

「ちょっとあっちで私達と話そうか！」





『えっといや、ギャァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”！！！』






私はリビングの柱に縛られた。





「こりゃ最高の眺めだ。100億の名画にも優るぜ」

「にしてもダークマターを作れるとは凄いですね。」


『おい、地味にディスって無かったか？？』

「Aちゃんにはこのメイド服を着てもらいまーす！」



『そのメイド服、どっから取り出した？！』

「え？私の異能力でだけど？
　まぁ、そんな訳で着替えて！」



『縛られてるのに？』


「「••••••••」」







•••アホだなコイツら。
私は縛られていると云うのに、如何やって着替えろと？？？

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