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160 - 高3 ページ21
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居酒屋で卒業アルバムを広げて思い出話に浸る母親達。
写真を見ながら『あの頃はあーだった、こーだった』って大声で騒いで大笑いしてる。
もうだいぶお酒が回ってるみたい…。
呆れた顔でその様子を見ているちーちゃんと大ちゃん。
携帯ゲーム機を持ち込んで対戦している。
私達の母親達は働いているので、途中から話が脱線してその時期に忙しかった仕事の話になり、本来主役であるはずの私達はないがしろにされている。
卒業アルバムってメッセージ書き込むのに夢中で、意外に写真をちゃんと見てなかったな…。
そう思ってぺらぺらと捲っているうちに寂しさが込み上げてきた。
……当たり前のように近くで見てきた制服姿の大ちゃん達はもう見られないんだ。
もう10年以上…。
一緒に通学したり、テスト勉強したり、翌日休みの日は泊りでお互いの家に遊びに行ったよね。
家に傘を忘れた日には一緒に帰ってくれて、
親が仕事で帰りが遅い日には家に来てくれて、ご飯を一緒に食べてくれるから寂しい思いをしなくて済んだ。
本当の兄妹みたいに…働いている親よりももしかしたら一緒の時間を私達は過ごしていたかもしれない。
あ……やばい……泣きそうだ…
お祝いの席で泣くなんて…皆しんみりしちゃうよね。
「っ…！」
侑李「…A？」
慌てて居酒屋の個室から飛び出した。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年8月19日 20時
