152 - 高3 花火大会 ページ13
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懐かしい…。
あれから8年…。
高校3年になった私と大ちゃんが同じ場所で思い出話に浸るなんて。
大貴「あの時さ…靴交換して皆と合流した後に知念にボソッとこんなこと言われたんだよ」
(侑李「大貴…大丈夫?足しんどくなったら言ってよね。…いつでも代わるから」)
「え…なんか今より優しい」
大貴「でしょ〜?今の知念からは絶対聞けない言葉だわ〜」
あの頃は俺に対してもツンよりデレが多かった、と語る大ちゃん。
「はははっ」
ちーちゃんのことも本当によく気が付くよね。
こんな時、幼馴染ってやっぱりいいなぁって思う。
ー
花火大会の帰り道。暗い住宅街を並んで歩いていた。
ふと思い出した…あの子のこと。
「そういえば遥香ちゃんって…花火大会来たがらなかったの?」
つい気になって訊いてしまった…。鬱陶しいだろうからこの件に介入しないって決めたのに。
大貴「…まぁ。A達と約束してたから断った」
「…そっか」
大貴「遥香ちゃんはさ…親に気にかけて欲しいんだよ」
急に遥香ちゃんのことを話し出した大ちゃん。
大貴「不倫相手の息子と愛娘が仲良くしてたら嫌でも気にするでしょ」
そう言って苦笑いを浮かべた。
自分は都合よく利用されてるんだ…と。ちーちゃんが前にそんなことを言ってた。
「でも、親の目が届かない学校で妙に大ちゃんにべたべたしてるじゃん…」
あ…口を滑らせた。明らかに嫉妬心丸出しな発言。
大ちゃんは気にすることなく話し続けた。
大貴「気持ち分かるんだ。1人で抱え込みたくないんだよ。…傷の舐め合いだよな」
遥香ちゃんのことを悪く言わなかった。
大貴「あのさ…もしかしたら中途半端な関係で見苦しいかもしれないけど。許してやってくれない?本人のせいじゃないんだ…親が悪いんだ…」
…やっぱり介入しちゃいけなかった。
当事者にしか分からない心の傷。
私…醜い嫉妬心なんか出して…最低だ…。
大貴「……A?」
私が急に立ち止まったので大ちゃんが異変に気付いた。
大貴「ははは…お前がそんな顔することないだろ?」
私が泣いちゃダメなのに…
泣きたいのは大ちゃんと遥香ちゃんのはずなのに…
「っ、ごめっ、なさい……」
大貴「俺も……嫌な思いさせてごめんな」
私の頭を優しく撫でてくれた。
大ちゃんは…こんな時にも私の気持ちを汲んでくれる…。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年8月19日 20時