063 - 大事だから - 大貴side ページ15
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- 大貴 side
A「なんで……止めるの……?」
「脱いでどうすんの? 俺、なんもしないよ?」
そんなつもりなかったのに、Aの姿をまじまじと見て、一瞬思考が固まった。
下はレースのショーツ1枚。
今脱ごうとしてるキャミソールはぺらっぺらの生地で中に着けてる純白のブラが透けてて、身体の滑らかなラインも浮き出てる。
このまま見てたら……やばい。
A「……しないの?」
「し……しない」
A「レンタル彼氏の時はお客さんに求められたら最後までするって言ってたじゃん…」
「それは仕事。 今は違うだろ」
A「じゃあ……お金出せばいい?」
A、一体どうしたんだろ。
いいから早く服着るか風呂入るかしてくんねぇかな。
これ以上見てたら…おかしくなる。
脱ごうとしてる彼女の腕を制止する為に掴んだまま、なるべく身体に視線を向けないように真っ直ぐ目を見る。
「…無理なの。 例え客だとしても、Aだけは抱けない」
A「私……だけ……? な、なんで?」
彼女の目に涙がじわりと浮かんだ。水分を蓄えた瞳が薄暗い部屋の中でキラキラ光る。
あ、やべ……完全に墓穴掘った。
「…大事だから、傷付けたくねぇの」
これは、本当のこと。
A「っ…、…この状況で何もされない方が傷付く……」
「そ、それはっ…」
そう……だよな。 俺だってこういう展開になるの分かってて連れてきたんだけどさ。
いざ目の前で脱がれると、いけないことしてる気がして理性が働いたんだ。
『この子は、あいつの娘なんだから』って。
「とりあえず風呂入んねぇと風邪引くから。 ほら、向こう行った行った」
「っ、………はい」
脱いだ服を拾って浴室へ歩いて行った。
寂しそうな背中。
横顔が見えた瞬間、涙がぽろって溢れ落ちるのが見えて胸が痛んだ。
ほんと馬鹿だ……俺。
大事なのに……
『大事だから』って言って逆に傷付けてどうすんだよ。
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん!だだ…だ大ファンです…!信じられない…有難う御座います!!(T-T) (2020年3月4日 12時) (レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー!続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年1月17日 23時