雲の切れ間から After Story - Daiki.A

030 - 高3 文化祭前日 ページ31

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教室に戻ったら、慧くんとちーちゃんが並べた机に屋台風の装飾をしている所だった。



画用紙をテープで繋げたものを机の脚に貼り付けて、金や銀の折り紙やモールで飾り付けてる。



小学校の図工の時間みたい。



教室を見渡したけど、紗奈と大ちゃんの姿は見えない。



侑 李「おかえり。 大貴は紗奈とペンキを塗りに行ってるよ」



私の心を読んだかのように、大ちゃん達の所在を教えてくれるちーちゃん。



「そっか……私もここ一緒にやっていい？」


慧「いいよ、ちょうど人手不足だったから。 でもね、そろそろお昼食べに行こうか、って話してたとこなんだよね」



コンビニ行く？ 駅前まで食べに行く？ ってちーちゃんと話してる慧くん。 彼の顔や髪には画用紙の欠片がいくつも付いてる。



「慧くん……頭にゴミ付いてる」


侑 李「もぉ伊野ちゃん、寝っ転がるから……」


慧「ふはっ、ごめ〜ん。 最近勉強漬けで眠くてさぁ」


侑 李「真面目にやってよね」



ねぇ取ってぇ〜、って下向いて、頭を私に向けるようにして甘えてきた。



なんか猫みたいだなぁ、て思いつつ髪に付いた紙片を丁寧に取ってあげた。



ふわふわで茶髪だからか、本当に猫みたいで…可愛いなぁ、て思っちゃった。



「はい、おしまい♪」



調子に乗って頭を両手で撫でたら顔を上げて、ふふっ、て微笑む慧くん。



至近距離でこんなイケメンに微笑まれると、別に彼に恋心を抱いてないのに心臓が飛び跳ねた。



顔が一気に熱くなる感覚に動揺して視線が泳いだら、呆れ顔のちーちゃんと目が合った。



侑 李「はぁ。 今の大貴が見たらますますキレるな」


「えっ？」



何かボヤいてたけど、言っていることの意味が分からなかった。



侑 李「いや、なんでもない」







紗奈「ねぇねぇ、ご飯食べに行こうよ！」



ちょうど紗奈と大ちゃんが教室に戻ってきた。



大ちゃんと一瞬目が合ったけど逸らされた。



私の隣にいた慧くんと普通に話し始めたから、私は紗奈とちーちゃんと並んで話しながら教室を5人で出た。



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