雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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それから、30分くらいかな。
妊娠中の注意事項とか、今後の妊婦健診のスケジュールについて、冊子を用いて事細かに説明された。



初めてのことだらけで分かんない。 あとで冊子を読み見返そう……



助産師「役所や駅前の自治体窓口で、母子手帳を貰えるのでそれを次から持って来て下さい」



母子手帳に妊娠の経過を記録するらしい。 あと産婦人科を受診するときにかかる医療費を自治体が一部負担してくれるんだとか。



「母子手帳……」



妊娠という事実を少しずつ頭が理解してきた。



どうしよう……
大貴になんて言おう。



大貴今日はいつもより早いかも。20時前後に帰れそう



スマホを見たら大貴からメッセージが来ていた。



A私も話したいことかあるからちょうどよかった


大貴一緒にご飯食べない?待っててくれる?



いいよ、私作るから家で食べよ、って返信して買い物を済ませて帰ることにした。











どう話を切り出すか頭の中でイメージトレーニングしながら食事の支度をしているうちにあっという間に時間が経った。



大貴はお酒飲むかもしれないから、つまみも作ったけど、無性にお腹が空いたのでご飯も炊くことにした。



その間にお風呂に入って、髪を乾かしてリビングに戻ってきた。 ご飯が炊ける匂いが鼻に入ってきた瞬間、



「ゔっ………」



急に吐き気がして、慌ててトイレに駆け込んだ。



「おぇえ……」



うわ……
なにこれ……



変なもの食べた？ 食材が傷んでた？



…だとしたら大貴には食べさせられないや。



口をすすいでふらふらとリビングに戻る。



自分の鞄から飴を取り出そうとして、あの冊子が目に付いた。



それを眺めて、ふと頭によぎった…



もしかして…



これが、つわり？










大貴「ただいま〜！」



上機嫌で帰宅した大貴の声が聞こえた。



慌てて鞄の中の冊子を隠した。



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