雲の切れ間から After Story - Daiki.A

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下着を着けていない胸元が露わになって、唇が這っていく感触に身体の奥がゾクッとした。



「んっ、あっ……」



チクッ、て胸元に痛みが走る。



すぐに突っぱねたけどもう遅かった。



「もう……それ、やめて」



左胸の膨らみに赤い内出血の跡がついていた。



落ちるわけないけどそこを擦ってみる。
……当たり前だけど消えない。



最近急にやるようになったキスマーク。
ほぼ毎回つけられる。



私の様子を見て不機嫌そう。



大貴「なんで？ 俺以外に見られねぇんだからいいじゃん」



やましいことでもあんの？ って睨みつけてきた。



何も答えずに視線を外したら、肩を掴んで乱暴に押し倒される。



「んっ……色素沈着して跡残るかもしれないじゃん」



笑えない冗談。年齢的にあり得るから。



最近顔に張りがない気がするし、学生の頃より体力落ちたなって感じる。 誰しも平等に訪れる『老い』というやつかも。



大貴「ぷっ……はははっ！ なにそれ」



眉間にシワ寄せて怒っていると思ったら今度はケラケラ笑い出した。



大貴はもともと童顔で、学生の頃から実年齢より若く見られてたのに、芸能界に入って身なりをちゃんとするようになったことで、更に年齢不詳感が増した。



同じ歳に見えないくらい若々しくて羨ましい。



こないだ高校の同窓会があったけど、皆の見た目年齢の差に驚いた。



大貴はその日仕事で来られなかったんだよね。



テレビで大貴の姿を見ると不思議な感覚になる。まるで違う世界の人みたい。



今、私を見下ろしているのは芸能人の彼？



それとも私が長年恋していた幼馴染？



目の前にいるのになぜか遠くにいるみたい。



手を伸ばしたら消えそう。



ずるいくらいかっこよくて、未だにこうして間近で見るとどきどきするけど、大貴はどう思ってるのかな。



(大貴「Aが好きだよ……ずっと前から」)



4年前に言ってくれた言葉、嬉しくて昨日のことのように覚えてるよ。



(大貴「ねぇ…俺のこと、あの時からまだ好きでいてくれてる？」)



ちょうどこのベッドでそんな会話をしたね。



ずっと大貴のことを想っていた私に、
好きでいてくれてありがとう、って言ってくれた。



今、こんなにも不安で堪らないのは…



彼に愛されてる自信が無いからかな。



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