雲の切れ間から After Story - Daiki.A

019 - 回想 涼介side ページ20

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- 涼介side



〜回想〜



大貴「帰るぞ。 ほんと酒癖悪いんだから……」



俺の肩に頭を乗せて寝てるAちゃんに声を掛けて手を伸ばす大ちゃん。



A「けっこん………したい……」


大貴「っ…」



伸ばした大ちゃんの手が一瞬、ピクッて震えた。








どうやら寝言みたい。









むにゃむにゃ言いながら俺の肩口に顔を擦り付けてるAちゃん。



大ちゃんは眉間にシワを寄せて、なんだか辛そうな表情をしてるように見えた。



大貴「………ごめん。 迷惑かけちゃって、」



ほら起きろ、ってAちゃんの頬をぺしぺし叩いて起こそうとしてる。



A「う〜……&△●#」


大貴「ははっ……何言ってんだこいつ」



なんとか自分の足で立ってるけど、ふらふらしてるし、目はまだ瞑ったまま。



倒れそうな彼女を大ちゃんが支えて、そのまま車の方に連れて行く。



「あ……あのさ！！」



Aちゃんが完全に起きる前に……



さっきの、伝えちゃダメかな。



大貴「ん…？」


「同窓会で結婚報告とか出産報告してる奴がいてさ……。Aちゃん、拍手して微笑んで見てたんだよ。 でも寂しそうで……」


大貴「……………」


「まぁ色々あんだろうけど……俺、応援してるから」



大ちゃんは視線を下に外したまま。
その後、俺の目を見ることは無かった。



大貴「悪りぃな、寒いのに待たせちゃって。 今度飲み行こ、俺の奢りで」


「あぁ……うん」



目を瞑りながら訳の分からないことを呟いてるAちゃんを助手席に座らせて、運転席の方に回る大ちゃん。



2人の事情は知らないけど、なんかうまくいってないような雰囲気を感じた。



それに口を挟む権利は無いけど、Aちゃんの悲しそうなあの表情を見ていたら、2人には幸せになって欲しい、って思った。



もう高校卒業してから10年も経つのか…



早いな……



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