10 - 高2 ページ10
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定期テスト直前の授業は自習になることが多くて、今は数学の授業時間。
先生は教卓を取り囲んだ生徒に質問責めにあっている。
先生が他の教科を自習してもいいと言ってたし、苦手な英語を勉強しよう。
大貴「A、」
背後から指で突かれた。
くすぐったくて、飲んでいた紙パックのミルクティーが口から出そうになり身を捩った。
窓側の最前列に席がある私。捩った時に窓枠に肘を当ててしまう。
「んん〜！」
口に飲み物を含んでるので声が出せないまま怒った。
大貴「まずいんだよ。
俺さ……
数学、何が分からないのかすら分かんねぇ」
…は？
あまりに真剣な顔で言ったので、口に含んでいたミルクティーを大ちゃんに向かって噴き出した。
大貴「ぅわっ！！汚ねっ！！…もうなにすんだよ〜」
お腹抱えてゲラゲラ笑い出す大ちゃん。 周りの席の子が慌ててティッシュを差し出してる。
あぁ…なんてことを……恥ずかしい…
先生「おいっ！ 自習なのになんで笑い声が聞こえるんだ！！ 今のは有岡だな！！」
先生の怒号が飛んだ。
慧「はぁ〜い先生！！ 有岡くんが好きな子いじめてました〜！」
廊下側の最前列に座る慧くん。突然立ち上がり先生に告げ口した。
大貴「はぁっ？！ちょっ…ちげーわ！！」
慌てて否定する大ちゃん。耳が赤い。
クラス全員が大ちゃんに目線を向ける。
慧くんは何を言って……ていうか、そもそもその位置からミルクティーのやりとり見えてた？
わたしは無実です、なんて言いながら両手を顔の横に上げる大ちゃん。
その瞬間、教室全体がどっと沸いた。
笑わなかったのは3人。
ふざけた大ちゃんを叱りつけている先生。
大ちゃんの言葉が心に引っかかった私。
そして呆れた目でこちらを見ている ーー
侑李「……」
私の胸中を察しているであろう幼馴染。
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作者名：もちもち
| 作成日時：2019年7月19日 0時
