41 - 高2 花火大会 Daiki Side ページ42
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- 大貴side
「え? もっかい言って…?」
かき氷の代金を払ってる最中に聞いた衝撃的な発言。
他の奴らが食べたいものをバラバラに買いに行ったから荷物持ちの俺。
皆小学生かよ…はしゃきすぎ…
琴音「だからぁ、転校です!私引っ越すんです。
10月…文化祭の後ですね」
「嘘…そんな急に……」
琴音「…寂しいですか?」
かき氷と大量の荷物を持った腕に抱き付いてくる彼女。
その上目遣いはもう喰らわん…、といつも返して笑うけどそんな心の余裕がない。
「とりあえず場所移そ。落ち着けるところあるから」
転校…って。
琴ちゃんと知り合って4ヶ月しか経ってない。
大事な部活のメンバーがいなくなる寂しさで苦しかった。
ー
やってきたのは“花火の丘”。
地名が付いてるわけじゃなくて、知念達とそう呼んでるだけ。
小さい頃から祭りの時必ず来ている場所。
俺にとって…大切な場所。
琴音「あの…転校のこと、まだ先生しか知らないんです。他言無用でお願いします」
かき氷を食べながら話す琴ちゃん。 いつも元気な部活の姿とは違って、見ていて辛い。
「まぁ、一生会えないわけじゃないからさ!」
辛気臭くしちゃダメだ。今日は思い出を皆で作ろう。
琴音「大貴先輩が好き。先輩としても男の人としても」
「知ってるよ。気持ちは嬉しい。ありがと」
荷物を並べていた手を止めて琴ちゃんに向き合う。
琴音「先輩のこと、良い思い出にしたいです。
…1つだけお願い聞いてください」
泣いている琴ちゃん。横に並んで話を聞く。
琴音「…キスしてください。
これで先輩のことは諦めて、残りの生活、他のことに集中してあげます」
目を真っ赤にして変なこと言うから可笑しくて、なんだそれ、って笑った。
琴音「酷いです……うりゃ!」
持っていたかき氷を顔に押し付けてきて、
「冷たっ!」
ゲラゲラ笑った。
…こういうことももう出来なくなるんだ。
触れるだけのキスをした。
あ、前に体育祭で、好きな人意外としちゃダメって叱ったことあるわ。
あと、なぜか急に思い出した。
こないだ部屋でAにしたキスのこと。
傷付けた。…酷いことした。
琴音「…ぅぅ…」
泣き崩れてしゃがみ込む琴ちゃん。
抱き締めて背中をトントンしてあげた。
寂しいよねお別れなんて。
ごめん……
琴ちゃんの気持ちには答えられない。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時