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大ちゃんから連絡がくるのは不定期。
今日は呼び出しがかかった日。
大ちゃんが指定してくる日時は、ドラマの撮影やテレビ収録の合間。
昼間のカフェだったり、夜の居酒屋だったり、時間も場所も毎回ばらばら。
勤務時間固定の仕事じゃないもんね。
大ちゃんが同棲している女優の“竹村ミナ”こと美波ちゃん
特別仲良しというわけではなく卒業後に会うこともなかった。ちーちゃんは出席番号近いからテストの時とかよく話していたと思う。
待ち合わせの場所に向かいながら思い出すあの日。私が社会人になって1年目の夏。
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会わせたい人がいる、って大ちゃんに呼び出されて向かった居酒屋の個室。
大ちゃんと肩を並べて座っていた彼女。
(大貴「覚えてる?美波ちゃん。今一緒に住んでてーー」)
(美波「Aちゃ〜ん!!すっごい久しぶり!変わらないねぇ〜!可愛いね〜!!!ひゃ〜!」)
勢いよく私に抱きついてきた美波ちゃん。
綺麗に整えられてた髪、女の子らしい花柄のワンピース、明らかに酔っ払ってるのに酒臭はしなくてなんだか凄く良い香りがする。
とろんとした瞳を私に向けたかと思ったら、両手を肩に乗せてきてバシバシ叩いた。
かっちりした黒スーツを着て、仕事帰りの疲れが顔に出ているであろう今の私。
肩を並べるのは恐れ多い存在だった。
(大貴「だぁ〜もうごめん!…酒飲めない癖に急に俺のビール一気飲みしたの。 テンションおかしいんだこいつ……」)
そういって美波ちゃんの腕を引っ張って隣に座らせる大ちゃん。
“会わせたい人”って言われたら、彼女かなって予感はしてたけど、こんな形で再会すると思ってなかった。
彼女と一緒にいる大ちゃんはとても幸せそうで、
(「へぇ〜…そっか。お幸せにね」)
なんて……
お酒が入っていないのに頭が回らない私は気の利いたこと1つも言えなかった。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時