12 - 高2 ページ12
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侑李「大貴は実行委員の所にそのまま向かうって。放送室に弁当持って来てだってさ」
体育祭実行委員の大ちゃんと紗奈。
来週の中間テストの翌週に体育祭があるので最近は昼休みに打ち合わせをしているらしい。
委員は忙しいけど、体育祭中は扇風機付きの涼しいテントにいられるから、各クラスの運動神経抜群な生徒を敢えて実行委員に選出するのが通例になっている。
体力温存の為らしい。
慧「おっけい。じゃあ弁当届けたら教室戻って食べよ」
体育祭当日の実況とか時間管理をやるんだ! って今朝大ちゃんが言ってたっけ。
ーー
放送室の重たい扉を開けると中にいた何人かがこちらに目を向けた。
狭い部屋に10人くらいの人がお弁当広げて打ち合わせ真っ最中。
紗奈の所へお弁当を持っていく。
「ア・リ・ガ・ト」
先輩らしき人が真面目に進行中なので、声を出さずに口パクでお礼をいっている紗奈。
紗奈の隣に座る大ちゃんと目が合う。
なんか口パクしてる。
あんう?
あ、「サ・ン・キュ」なのかな?
声を出す形ではないこの特別な意思疎通にドキドキしてしまう私は重症かも…
お邪魔しました、の意を込めて軽く頭を下げてその場から去ろうとすると、ちょんちょん…と横からブラウスを摘まれる感覚が。
狭い空間でそちらに視線を向けると、
「…!」
放送室の照明を当てているのかと錯覚してしまうくらい眩しい美男子がいた。
去年同じクラスだった山田 涼介くんだった。
慧くんと並んで“モテ王子”と呼ばれる彼。
口パクの大ちゃんを見た時とは違うドキドキ。
芸能人に会ったらこんな感覚になるのかも?
声を出さずにニッと白い歯を見せて笑うと、皆から見えないくらい低い位置でバイバイと手を小さく振った。
久しぶり! と言いたいところだけど邪魔になっているので退散することにした。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時