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『それで、僕に何か用ですか？』
渉「おっと…忘れていました。Aくん、あなたの成績は私がやりくりしていたので、この1年はどうにでもなりました」
そう言えば確かにそうだな…
授業にも出てないのに、なんで僕進級出来たんだろ？って思ってたらそういう事か〜
わたる先輩がやりくりしてくれてたんだ…有難い…
『"この1年は"ってことは、2年生からは…』
「ええ。2年生からは少し違います。生徒会の主催するドリフェスに出なければ、成績がつかないんです」
『…ドリフェス…』
なんでも、生徒会が発足して学院を統制し始めたんだって。
それで、良いアイドルになってもらうためにってドリフェス？制度を作ったらしくて…
『…でも、僕は』
「…そうですね。私のお願いでここから出なかった。けれど…もうそう言ってられませんし」
ふわっとわたる先輩の髪が揺れた。
「…ふふ、あなた、他の生徒からなんて呼ばれているか知ってます？」
『え？なんだろう…そもそも僕ってほっくん以外に認知されてないんじゃ…』
「それがですねぇ…あなたの名前だけは皆さん存じ上げているようでして…あなた、"演劇部のラ※ンツェル"って呼ばれてるんですよ」
『うぇ！？！？』
わたる先輩がさも可笑しそうに笑った。
ら、ラプン※ェル！？
それって…あれだよね…
塔の中に閉じ込められてる、髪の長いお姫さま…
僕あのお話もすっごく好き！
…だけど、僕が！？
いや…もちろん似通ってる部分はあるけど…！
渉「元のお話でも、とあるきっかけで姫が塔の外へと出て世界を知ります。さぁ、※プンツェル。あなたにも外の世界を知る、その機会が巡ってきましたよぅ☆」
そう言って、わたる先輩が僕の手を掴む。
そのまま演劇部室を飛び出した。
久しぶりに僕を焼く日光が眩しい。
でも…
『…なんか、様変わりしましたね』
渉「…ええ」
わたる先輩の手に力が篭った。
今までは、部室の中にいても聞こえていた笑い声とかが…今は一切聞こえない。
皆どこか…表情が強ばっていて。
気の所為かな…わたる先輩を見ては逃げていく。
…どうして？
『あの…』
渉「さぁ、行きましょうAくん。あなたに紹介したい人がいるのです」
そう言ってまた僕の手を引くわたる先輩は、きっと虚空を見ていた。
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海月(プロフ) - 久々の更新とても嬉しいです！作者様のペースで大丈夫ですのでお身体に気をつけて更新していってくださいね！応援しております！ (12月12日 17時) (
レス) id: 35dd37fd2f (このIDを非表示/違反報告)
Lemon!?(プロフ) - 久々の投稿めちゃくちゃ嬉しいです！応援してます!! (12月12日 0時) (レス) @page35 id: 1d8fe9d267 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - いちごみるくさん» 本当にお待たせしてしまって申し訳ないです…頑張ります！ (11月22日 17時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます！ゆっくりですが、よろしくお願いします！ (11月22日 17時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 久しぶりの更新に大歓喜です！ありがとうございます！魚さんの書く小説本当に全部好きです！続き楽しみにしています！ (9月21日 18時) (レス) @page33 id: de7f25a96e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年12月16日 20時
