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zmside
zm「自分から血を流すとか…馬鹿やろ姉ちゃん」
俺はベッドの横に椅子を持ってきて、それに座った。
ベッドには姉ちゃんが寝とる。
血が嫌いで、血を見るなり嗅ぐなりするだけで熱出して倒れるのに…
それを自分からって…
『……ごめん…なさい…』
荒く息をつきながら小さな声で謝られる。
溜息をついて、濡れたタオルを額に置いてあげた。
苦しそうやった眉根は緩んで、ほっと息をつく。
『ぞむ…』
zm「うん？」
『…包帯…邪魔…』
ん"ー…
包帯、あんまとって欲しくないねんけど…
見られたら困るし。
zm「ロボロ」
rbr〈はぁいぃ？〉
ロボロにインカムで通信を入れた。
姉ちゃんは皆に歓迎されたけど、信用に足る人かはわからんらしくて、一応俺の部屋には監視カメラが付けられとる。
zm「監視カメラ、ちょっと切ってくれん？」
rbr〈ええけど。なんで？〉
zm「姉ちゃん着替えるから」
秒速で切ってくれた。
流石童貞やわ！
俺は姉ちゃんの包帯をするりと解いた。
長い睫毛が押し上げられて、そこから覗くのは薄い黄緑。
光が当たればそれは赤くなり、角度が変われば水色になる。
つまり、虹。
虹の瞳とか、絶対他におらんやろ？
おったら色々と困るんやけどさ。
せやから、色んなやつからもの珍しがられて、下手すれば抉られて売られる。
それを避けるために包帯しとるって訳。
zm「…久しぶりに見たなぁ…姉ちゃんの目」
『…ん……たしかに…そうかも…な』
苦しそうに姉ちゃんが話すから、俺は頭を撫でた。
すっと寝入る姉ちゃんのタオルを新しいのに変える。
いつ見ても綺麗な瞳や。
この世界にたった1人しかおらんのちゃう？
だって見たことないで、虹色の瞳とか。
俺はベッドに肘をついて頬杖をついた。
熱に浮かされた姉ちゃんの顔を見て、俺は溜息をつく。
……このまま、俺だけが姉ちゃんの目を知っとればええよな。
zm「…俺だけの姉ちゃん」
姉ちゃんの前髪を指に絡めて弄ぶ。
頼むから、離れんでな…？
zm「俺には…姉ちゃんしかおらんから…」
そのままベッドに頬をつける。
姉ちゃんの静かな息遣いと、俺の心音だけが響いた。
そのまま微睡んで、俺は目を瞑った。
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魚(プロフ) - miiさん» はう...！ありがとうございます…！ (2020年10月26日 16時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした！とても面白く、今でも大好きです！この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい！ (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます！今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる！更新楽しみに待ってますー！ (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜！ (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2020年2月17日 9時
