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Aside




あれから数日。


未だ文献は見つからない。


図書館の棚は膨大で、中々全てを見終わらないのだ。


それでもエーミールやゾムが、暇を見つけては探してくれていたらしい。


図書館の本は全て確認した。


それでも出てこないのだから不思議だな。


そんな訳で今日は禁書室という、国の重要な本たちが眠る部屋に連れて行ってもらった。


そこは薄暗くて、甘ったるいカビの匂いがする。


なんだか探検みたいでちょっとわくわくしてる。


そんなわくわくは、すぐに消え去った。


禁書室の本は、図書館のものよりも更に多くて分厚い。


ちょっとキレかけたのは内緒だぞ?


エーミールに怒られそうだからな。


禁書室に来てから早4時間。


一向に見つからない…んだが。


私らちょっと溜息をつきながら、次の本を手に取った。


"四獣について"





『あった!!』





その声にエーミールとゾムも駆け寄ってくる。


エーミールが蝋燭に火をつけてくれたので、少しずつ音読していく。





『麒麟。

麒麟は四獣のうちの1つ。

特徴は虹色の瞳を有すること。

虹色の瞳を持つ麒麟は世界にたった一体しかいない。

当代の麒麟が死せば、次代の麒麟が生まれ落ちる』





そこまで読んで、思わず止まった。


だって…私の中の"麒麟"というのは、この世に何体もいて、そのうちの一体が私なんだろうって。


そう思っていたから。


世界にたった一体だけの麒麟。


それが私。


大嫌いだったこの瞳が、ほんの少しだけ好きになった。


大嫌いだった自分が、麒麟が、ほんの少しだけ好きになった。

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(プロフ) - miiさん» はう...!ありがとうございます…! (2020年10月26日 16時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした!とても面白く、今でも大好きです!この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい! (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます!今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる!更新楽しみに待ってますー! (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜! (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月17日 9時

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