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emside
『エーミール…だったな、確か』
ふと聞こえた声に振り向いた。
そこに立っていたのは、ロボロさんとあまり変わらない背丈の女性。
目には包帯を。
頭には黒のフードを。
深くかぶったフードから覗く薄い金色の髪はさらさらで。
em「はい、何か御用ですか?」
私はゾムさんのお姉さんの前にしゃがみ込んだ。
確か名前は…Aさんだったはずだ。
Aさんはゾムさんのお姉さんなのだから、こうやって子供のように扱うのは違う気もするのだが、どうしてかこうやってしてしまう。
『あ…いや……特に用事はないのだが…名前が合っていたかなと…確認をしに…』
困ったように俯かれて、納得する。
立ち上がると、私の頭を2つ分程下に黒いフードがあった。
恐る恐る、といったふうに見上げてくるから、思わず笑ってしまった。
em「Aさん」
『なんだ』
em「今はお暇ですか?」
Aさんが、白く長い指を顎に沿わせた。
その仕草さえもなんだか小鳥のようで、私は微笑んでしまった。
『まあ、暇だな。それが?』
em「お茶でも、と思いまして」
『成程…確かグルッペンが言っていたな。エーミールの紅茶は美味しいって』
楽しみだ、と笑って傍の椅子に腰を下ろしたAさんに苦笑する。
そういえば彼女はグルッペンさんと仲が良かったな、と。
そんなに買い被っても何も無いぞと言っているのに。
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魚(プロフ) - miiさん» はう...!ありがとうございます…! (2020年10月26日 16時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした!とても面白く、今でも大好きです!この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい! (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます!今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる!更新楽しみに待ってますー! (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜! (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2020年2月17日 9時