味方最大の脅威にも脅威がいました【zm】

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『カエる…ッ！私ハ、δ国にかえるンだ！これヲ外セ！』



ガシャンガシャンと大きな音が地下の独房に響き続ける。

トントンはそれを辛そうに眺めていた。

δ国王はゾムによって殺 され、戦争は始まる前に終わった。

捕らえられたAは、やはり手足に枷を嵌められて錯乱している。

どう考えても正常ではないAは、少しだけ採血して調査をされている。

採血したのは一昨日のこと。

そろそろ結果が出てもいい頃だろう。

Aは独房で目覚めてから、ずっと暴れ続けている。

幹部が交代で見張りにつくが、皆が沈んだ顔で帰ってくる。
それもそうだろう。

Aは幹部ではなくても、革命の時に共に戦った戦友なのだから。



tn「…辛いよなぁ……苦しいよなぁ…」



トントンは苦しそうに藻掻くAの細い手首を見た。

手首も足首も枷に擦れて赤く腫れている。

それでも痛みが感じないのか、更に暴れて藻掻くので、擦れて血が出ていた。

この3日ほど、食事を入れても食べてくれず、Aはやせ細っていくばかりである。

無理やり押さえつけて口に柔らかい粥などを入れてみるものの、舌で押し出してしまう。

トントンはまだ暴れるAから目を背け、小さく溜息をついた。



rbr〈トントン、会議室来てや。Aの検査結果出たって〉



ロボロからの通信で、まだ叫んで暴れ回るAにちらりと目線を向け、トントンは会議室に向かった。

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