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1 始まりは、暖かい春の日から。 ページ2

暖かい春風が吹き、散歩中の少女の柔らかな金色の髪を揺らした。
少女は悪戯な風に立ち止まり、髪を手で抑える。
少女は穏やかに微笑んでいた。


風が止むと、少女の前で燕が素早く横切った。
「つばめさん。さようなら」
少女は飛んでいく燕を見つめて言った。
動物である燕には少女の言葉の意味は分からないのだろうが、純粋な少女にそんな事は分からない。
燕が見えなくなると、少女は歩きを進めた。



道は花や草が彩り、空では鳥たちが鳴いている。
晴れた空は、雲一つ無く、透き通るように青い。
春は、とても明るく、賑やかな季節である。
そんな春の季節が、少女はとても好きだった。
綺麗な花を見つけると、たまにしゃがみこんで花とお喋りをしたり、鳥とお喋りをしたり、空を見上げて休憩をしたり、春風と戯れたり。
春の自然の気持ちよさを、少女は知っていた。
春の日に散歩をすれば、何か新しい発見があるという事も、少女は知っていた。



少女は、大きな木にもたれて休んでいた。
枝を大きく広げた木は大きな日陰となって、とても涼しい。

少女は木の周りを回るように飛ぶ蝶を追いかけて遊んでいた。
「……!? きゃあっ!」
少女は、地面で滑るような感覚を感じ、尻餅をついてしまう。
地面を見ると、少女が滑った所は、兎の穴だった。
小さめの穴だが小さな女の子なら落ちてしまうような、地面に空いた穴。
少女は兎の穴に興味津々。兎の穴を覗いた。
しかし、穴の中は真っ暗。
「……なーんだ」
少女はつまらなそうに顔を上げる。


――――その瞬間、少女は体のバランスを崩し、穴に滑り落ちてしまった。



穴は、とても深く、
深く、
深く、
海のように深く……


少女の体は、穴の奥へ……
落ちる……
落ちる……
落ちていく――――

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←Prorogue ―ひどく古ぼけた手記より―



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河城 .(プロフ) - 奥山 きの子さん» コメント、ありがとうございます。後に黒電話様という方と合作する予定です。私のプロローグなんかまだまだ序の口。本番はここからです。こみゅ〜のなりちゃに使う題材を、小説の方に使っていますので、こみゅ〜のなりちゃの方もよろしければ是非……!! (2015年6月3日 22時) (レス) id: c3a027273e (このIDを非表示/違反報告)
奥山 きの子(プロフ) - アリス×まさかの商売ですか!どんな物語になるか想像つかなくてワクワクしています。更新頑張って下さい! (2015年6月3日 20時) (レス) id: 259a51d2aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河城 . x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maidens/  
作成日時:2015年5月31日 17時

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