カタツバキの花を君にー3ー *K.I* (ページ7)

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｢声出せよーー！｣

｢1年！ボールだしおそい！｣

｢サボんな！｣

総体前でピリピリした部活。
俺たち3年にとっては最後かもしれない大会。

気合いの入りようが今までとは違った。

｢ふぅっ｣

｢伊野ちゃん最近いいね｣

休憩に入り水を飲んで一息つくと
大ちゃんに話しかけられる。

｢うん、Aも見に来るしね。｣

Aが見に来る、それだけでやる気が湧く。
絶対勝ちたい。そう思える。

｢え、そーなの？俺も頑張ろ｣

｢はぁ？やーめーろ！｣

大ちゃんは相変わらずAが好きらしくてしつこくアピールしてる。
俺がいるって言うのに。

｢昨年、Aの応援がなくなった試合で負けたんだ。だから、絶対勝とうぜ！｣

白い歯を見せて楽しそうに笑う大ちゃんに無言で頷く。