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あれからの慧くんとの関係はそのままだった。
「大学、決めたー?」
6月半ば。
そろそろ志望校調査や進路ガイダンスなど、大学について話されることが多くなり、私たちの会話も自然とその話題になっていた。
「んー。いまいち。慧くんは?」
「俺はやっぱりあそこの大学かなー。近いし。」
「建築科だっけ。」
「そうそう…。」
慧くんが目指す大学はレベルが高いところで、勉強しなきゃ。が彼の口癖だった。
…実際してるところは見た事ないけど。
きっと影で努力してるんだと思う。
私もなかなか行きたいと思えるような大学を見つけれず少し焦っていた。
「そう言えば、もうすぐ総体だね。」
「うん。見に来てくれるの?」
「もちろんだよ。しっかり見なきゃ。」
前はだいちゃんを見に行くという名目で応援に行ったから、慧くんを見るという意味では初めてとなる。
もしかしたら、最後になるかもしれない大会。
慧くんと話していると時間はあっという間にすぎて、日が落ちそうにまでなっていた。
「ん、もうこんな時間。」
「おつかい頼まれてるんだった。今日はここでバイバイで大丈夫だよ。」
「ほんと?俺も手伝うよ」
「ううん、大丈夫」
そう言うとそっか、って微笑む慧くん。
「んっ、じゅーでん。」
ぎゅっと、抱きしめられて
「…ん、」
ちゅっと唇にキスが降りてきた。
「バイバイ。気をつけてね。」
「うん、帰ったら連絡するね。」
手を振り別れた。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年5月23日 23時