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白い壁、白い天井
真っ白に統一されたその部屋は少しだけ薬品の匂いがした。
ピッピッと無機質な機械音だけが部屋に響く。
「ごめんねぇ、心配かけて」
部屋の中央にあるベッドの上で申し訳なさそうに優しく微笑むのはお母さんだった。
あの後、母が仕事場で倒れて搬送されたと聞いて事を上手く呑み込めないままだいすけくんに病院まで送ってもらって、母の病室に案内された。
「寝不足と貧血ですね。仕事しばらく休んで安静にしててください。」
部屋に入るなり母の横に立っていたお医者さんがそう告げていろんな書類にサインをしたら出ていった。
「ううん、仕事そんなに忙しかったの?」
「大手の企業とのコラボが決まって次々企画書出さなくちゃいけなくてね」
そういえばいつ寝たっけ、なんてやつれた顔をして笑うお母さん。
お母さんは化粧品会社の制作チームらしくて、いつも忙しそうにはしていた。
お父さんは営業マンでしょっちゅう家にいない。今も東北の方に単身赴任に行っている。
家のことはなるべくしてたつもりだったけど、それでも忙しかったらしい。
「有給溜まってたんでしょー?一気に休み取って消化しなよー。」
お母さんやお父さんが家にいないから寂しいとかは特別ない。
小さい頃からそうだったし、有岡家もいたし。
「お医者さんから聞かなかった?」
「なにを?」
「お母さん、2週間入院するのよ」
「へっ」
「大貴くんとこに頼んでるから暫くお世話になるのよ〜」
「え、家事も何もかも全部できるよ!2週間くらい大丈夫だから…!」
だいちゃんの家で2週間…!?
ムリムリムリムリ!!
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年2月28日 5時