カタツバキの花を君に *Kei.I* (ページ11)

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「はよ、」

「あれ、だいちゃん…」

朝、日直のためいつもより早い時間に家を出ると
ちょうど隣からもだいちゃんが出てきた。

「はぇーな。どしたの？」

「日直。だいちゃんは？」

いつも遅刻ギリギリで行ってるイメージのあるだいちゃん。

おばさんもいつも大貴になんとか言ってやってよー！なんて私に愚痴ってくる。

「自主練。総体近いから、先輩と最後になるし。」

そう言って私の隣を歩き始めた。

こんな風に一緒に登校するのなんて何年ぶりだろう。

中学の入学式以来な気がする。

「…なんか久しぶり」

「昨日も言ったよそれ。」

とうとうボケたか？なんてクスクス笑うだいちゃん。

「んー。だいちゃんは仲良いけど仲良くない幼馴染だよね。」

「まぁ、な。二人で遊んだのなんて小学生の時が最後だし。」

「そうそう。だから、幼馴染っていうと、うそー！なんて言われる。だいちゃん人気すぎ」

「逆に俺はお前の名前出すと誰？って言われるよ。」

皮肉を込めて言った言葉は皮肉で返ってきた。

目立つだいちゃんとびっくりするほど目立たない私。

これでもずっと仲良いんです。

2人で他愛もない話を交わしていると学校に着き、だいちゃんはそのまま体育館に行ったため別々となった。

別れ際にまた連絡するわーなんて手振ってたけど、私だいちゃんの連絡先持ってたっけ。