風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索廿捌 ページ28

「…………」


面倒臭い奴が来た、っていう顔をする音柱様。
溜め息が漏れていた。

あたしは助かりましたけどね！！



「宇髄やはりお前は死ぬまで戦うべきだ。今現在、不死川が行方不明なんだからな」

「不死川が？」


蛇柱様がそう言うと音柱様が少しびっくりしていた。

え、蛇柱様言っちゃうんですね。
そりゃそうか。
柱が行方不明だなんて重大か。



「死んだなどという戯言を俺は信じない」

「俺もそれは派手に賛成だが」




あの蛇柱様こっちみてくるのやめてください。
あたし本当に何も知りませんから。

蛇柱様からの目線に困っていると、音柱様が女の人を担いで立ち上がった。






片腕無いよね？
もう一度聞くよ？片腕無いよね？？


「取り込み中なんだよ邪魔すんな」




と言う余裕もあるようで。
柱というものの恐ろしさを再確認できた。


もう蛇柱様に心の中で何か言うのやめよう。




「………」




音柱様が行ってしまったあと、それはそれは蛇柱様機嫌が悪うございまして。

蛇なんてメデューサのようにシャーシャーしとりましたわ。




「俺は不死川の件と別件で任務がある。お前みたいに暇じゃない」



この重い空気をどう変えようか必死に頭を捻らせていたところ、重くした張本人が喋ってくれた。


別にあたしだって暇なわけじゃないですから！！




「人間で鬼の味方をする奴を見つけなければならない」


「へえ、そんな人が」



どういう経緯であの鬼の味方をしようと思えたんだろう。
詳しく話を聞いてみたところだけど。

意思疎通がまずできる人なのかな。


なんて呑気に思っていたら、


「俺はお前も怪しいと思ってるが」

と言われたのでたまったもんじゃない。






「ふん、お前はせいぜい隠の仕事に精をだすんだな」

貶されたのか応援されたのかよく分からんけれど、蛇柱様は行ってしまった。




気まますぎる。
猫か。

猫柱名乗れ。

あたしは蛇柱様の背中を眺めながらそう思った。

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