風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索拾弐 ページ12

「そうか、ならば俺は任務に行く」


話は済んだなと立ち上がった冨岡さんは言った。
それに伴い鴉ちゃんも肩に乗っかっていた。




「はい、お仕事頑張ってください。いつでもお待ちしております」












「お前は」


此方を見る冨岡さんと目が合って初めてあたしのこと言ってるのかと自覚。





「え、えと…」



連れてきてくれた冨岡さんに申し訳なさが。

戸惑う私。













「刀をお渡しします故、もう暫しここに居られては？」


「そ、そうでした！是非ともお願いします！」





助け舟を出してくれたお姉さん。

本当に恐ろしく察知能力がおありで。









「そうか」





それだけ言って冨岡さんと鴉ちゃんは屋敷を出た。



見送りの際、その背中を見てお姉さんがボソッと

















「あの“二人”、あれで本当に幸せなのでしょうかね」




「へ？」






“二人”？何処をどう見てそう言ってるの？

よく見ても一人と一羽。








「あら、貴方には鴉に見えました？」



「え………」






微笑みながら変なことを言うお姉さん。

変な事言ってる自覚あります？






するとお姉さんが私の横を見た。












「それを言うならそこの鳥だって…」






と言ってお姉さんが指さす方には風鳥。

いやいや、そんな話があるわけない…




戸惑う私を見て満足したのかお姉さんが口を開く。






「ふふ、冗談ですよ。では、刀を渡しましょうか」



「…はい、お願いします…」








この不思議なお姉さん一体何者…？



「此方へ」




お姉さんの後ろをついていきながら先程のことを考えていた。







もしも風鳥がキスをして人になったらどうしよう。


知らない人だったら気まずすぎるし。
万が一の可能性で風柱様だったらもっと気まずすぎるし。

というかそもそもなぜ人が鳥になるっていう事態が発生する？？？


ううん、ありえないわ。

ありえない。よって、キスはしない！！！







「ちょっと待っていて下さいね」







お姉さんの言葉で考えが完結できた。
ありがとうございます！！







いよいよ刀と正式に一緒にいれると思うとドキドキが止まらない。

お姉さんが部屋の中に入って刀を持ってきた。




「確かにこの刀は不死川様の物です。大事にしてあげてください」




「はい、ありがとうございます！」











てれってってってってー



▷風柱様の刀を手に入れた！

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