【文スト】チェロの音はもういいから！！【ドストエフスキー】

七曲目 ページ7

｢おはようございます｣


こっちを見てニコニコしている紫眼の男。



いやまて、｢おはようございます｣じゃないんだよ。いや、あー、うん、頭が追いつかないや。


寝起きに知らない人がいても騒がないもんなんだなと関心していた。




それはさておき、

(この人、誰？？？)




どストレートに聞いてもいいのか、それとも遠回しに聞いた方がいいのか、それとも喋っていい相手なのかどうかも定かではない。



そう考えていると、紫眼の男をジーっと睨むように見てしまった。


視線に気づいた紫眼の男が喋り出した。

有難い。





｢嗚呼、自己紹介遅れました。ぼくはフョードル・ドストエフスキーです。

是非、フェージャと呼んでください。｣




｢名前なげえな。｣


(あ、、はい、)





｢……………｣





紫眼の男は更にニコッとして、



｢相変わらずですね、その癖。とても可愛らしいです｣


｢はい？｣




｢貴方は可愛い人だと言いました｣



(？？？？？る？？)





やばいな、思わず『る？』とか出てきちゃったよそのくらいやばいって気づいてお願い。






そしてこの人とは多分会話できないなと3分で気づいた自分を褒め讃えて。





目の前にある檻だと思っていた鉄格子を眺めて自分は今この人に誘拐されて閉じ込められているんだなと悟る。






｢ここ、何処ですか｣

｢地下です｣

｢何処の｣

｢？地下です｣







(地下に何処も何もないって事ね)

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