【文スト】チェロの音はもういいから！！【ドストエフスキー】

二十一曲目 ページ21

｢ッ…ゴホッゴホッ！！｣

｢大丈夫ですか｣



話を聞きながら食べていたが、むせた。
自分のむせにすぐさま反応した魔人。



｢大丈夫……｣





ラストにやられた。

(あ、そう、そーゆーことだったってわけ)






ラスト5行くらいが頭おかしい発想すぎてぶっとんでいたけど、自分と魔人の馴れ初めが聞けた。



(聞いても全然納得出来なかったけど)





泣いた顔に一目惚れってそれは喜んでいいのだろうか。素直に嬉しくないので、喜ばないことにした。






｢両思いになったかどうか、彼女に聞かなかったの？｣



｢？｣






｢え？｣









｢ぼくのことが好きだから笑いかけたんですよ




だからわざわざ聞かなくても察しました｣




｢…………｣






開いた口が塞がらないというのはこの事だ。
まさにいい例だった。これ以上ないくらいに。







昨日から絶句したり唖然したりが止まらない…


ヤンデレに何を言っても無駄というのはこういうことか。







これから不用意に知らない人に笑うのやめよう、と心に決めたことがまた増えた。




それにしても…


(被害妄想激しめだなぁ……)









そして、早くここから逃げ出さなければ、と思った2日目の昼であった。

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