二曲目 ページ2
今にも倒れそうな青白い顔をした若い男の人だった。
それに、なんか頭にモコモコ被ってるし、そんなに寒いのだろうか。
「どうかしましたか?お嬢さん」
迷わず傘を差し出す。
「このおにーさん、わらってるけどめがしんでる…」
(かさどうぞ!)
「…………」
目が点になっている。
この人は傘を差し出されたことがないのだろうか??
「そんなにかおがあおじろいひとはじめてみた!たおれないかな?だいじょうぶなのかな?」
(かささしてないから、わたそうとおもって…)
「………」
今度は後ろを向いて震え出した。
相当寒いのだろう。早く傘を受け取ってほしい。
「ああ、失礼……貴方の…それは天然なのでしょうか…?」
傘を受け取りながら、貧血男は言った。
そう、Aは思ったことと言ったことが反対になっていた。それに本人は気づいていないが。
傘を渡してきてくれたという趣旨を理解してくれた貧血男には感謝すべきだろう。
「え??」
「此処にも面白い人がいるものですね」
傘を差し出すのはそんなにも面白いことなのだろうか、と思ったが受け取ってくれた安心感からか突っ込むのは辞めた。
「おにーさんじゃあね!!」
といって、走っていった少女の後ろ姿を消えるまで見続けた。特に意味は無いが。
そして、差し出してきてくれた少女の傘を差した。
小さくて結局は肩が濡れた。
(あの子のことは、、覚えておきましょうか)
そう言って消えた男のあとに残ったのはその“傘だけ”だった。
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もち明太子 - 面白かったです!!!!作者様神作品ありがとうございます! (2022年9月14日 21時) (レス) @page32 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
南南東(プロフ) - 作品目の明るさと真逆の展開で正直驚きました。とっても面白かったです! (2022年3月16日 8時) (レス) id: 74d17b21fe (このIDを非表示/違反報告)
赤目のなりすまし(プロフ) - ニックネームさん» 書いてから約2ヶ月経ちましたが、まだ見てくださる方がいらっしゃってとても嬉しいです…(;;)ありがとうございます!! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 52f4f26d76 (このIDを非表示/違反報告)
ニックネーム(プロフ) - ヤンデレ最高でした!最初から最後までとても面白かったです!神作品をありがとうございます!!! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 9b18d6ecfd (このIDを非表示/違反報告)
赤目のなりすまし(プロフ) - せんりさん» 完結してからしばらく経ちますが、読んで下さりありがとうございます(;;)今連載中はありませんが、またご縁がありましたらよろしくお願いします〜(*^^*) (2019年7月14日 23時) (レス) id: 6632521574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤目のなりすまし | 作者ホームページ:http://Instagram.com/1111__annaka
作成日時:2019年5月11日 19時