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夕暮れ時となり、私はいつものように店じまいに取り掛かった。
立てかけていた暖簾を外し店内に入れる。
麻の生地で丈夫に作られた暖簾は、だいぶ年数は経つものの、まだ使える状態であった。
残ったおかずは今日の晩ご飯として頂くように皿は取り分ける。
エプロンと結っていた髪留めを外して、ニットのカーディガンを羽織った。
秋の日暮れは意外と冷える。
「あ、帰りにトイレットペーパー買わなきゃ」
戸締りを確認し、祖母のいる病院へと足を運んだ。
「おばあちゃん、調子はどう？」
相変わらず本の虫な祖母は、私が来たことに気づかず、声をかけられてゆっくりと顔を上げた。
「A、お疲れ様。私はいつも通りよ」
柔らかく微笑む祖母は、今年で85歳となる。
結構な年齢であるが、歳を感じさせない上品さがあった。
「ところでA」
名前を呼ぶ声が妙に響きひやりとした。
次に何を言われるかだいたい予想ができる。
「ま、まだです」
「こら。私はまだ何もいっていないわ」
ふぅ、と一息ついた祖母は読んでいた本をパタリと閉じた。
「そろそろあなたも26歳になるでしょ。あなたから色恋話しも耳にしないし、少し心配でね…」
「うう…、今はまだいないけど、きっとご縁があるよ。」
「何を悠長なことを言っているの。私だってもう長くはないわ。あなたが一人になることが心配してるのよ。」
「そんな、悲しいこと言わないでよ。人生100年時代って言うじゃない」
このままではお見合いを組まれてもおかしくはなくなる。
祖母が私のことを心配してくれるのはありがたいけど、こればかりはどうしようもないならない事だ。
「私の願いはただ一つよ。Aを心から愛してくれる方ができること、それだけで十分だわ」
一瞬、祖母の存在が消えてしまうんじゃないかと思った。
目が霞んだだけだろう。まだこんなに元気な彼女が、そうやすやすと天国へ行くはずはないのだ。
「うん、ありがとう。いい人ができたらすぐにおばあちゃんに紹介するからね」
面会の時間が終わり、「おやすみなさい」と暗くなった部屋に声をかけた。
自宅に帰り、一通り明日の準備をした後ベッドへ横になり、スマホ片手にSNSを流し見していると、あるイベントページを見つけた。
《街コン》
よく目にはしていたが自分には縁のないところだと思ってたけど。
「まずは出会いから、か…」
少し戸惑いながらも、予約ホームへとボタンを進めていった。
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ゆき(プロフ) - (名前)マコさん» 全作読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いますm(_ _)m (2019年9月15日 12時) (
レス) id: 39e3cdebd3 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)マコ(プロフ) - ゆきさんの作品を全部読ませていただきました！ とっても優しく幸せな世界に癒されて、私も優しい気持ちになれました^_^ ありがとうございます！ これからも楽しみにしています！ (2019年8月11日 22時) (レス) id: 1cef87080f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はるかさん» ありがとうございます！普段はグクちゃんと呼んでアミ活をしてるのですが、ここではかっこいいグクを理想に書いていきます！ (2019年7月31日 19時) (レス) id: 4ece362860 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 猫わかめさん» ありがとうございます！かっこいいジョングクと愛される主人公をこれからも書いていきます。 (2019年7月31日 19時) (レス) id: 4ece362860 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - とにかく主人公可愛いしグクもめっちゃカッコいい…次の更新楽しみにしてます。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 2c32449133 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2019年7月29日 3時
