甘くて甘い、【歌い手】【短編集】

月と太陽【amtk】 ページ17

「それで坂田がさぁ…」


とある日の夜。彼、天月くんは今日久しぶりにまふまふさん、うらたさん、坂田さんとYouTubeの撮影をしてきたらしい。


撮影であったことを楽しそうに話してくる。

彼の話はとても面白いし、

仲間のことがどれ誰好きなのかよく伝わってくるから聞いているこちらも幸せになれる。


でも、まふくんが、うらたさんが、だけじゃなくて私にもっとかまってくれてもいいじゃないか。


「そのあとそのカメラがね？」

『ごめん天月くん、私お風呂入ってくるね』

「え、あ、うん…」


ニコニコとしていた彼の顔が一気に曇る。

少し気まずくなって駆け足で洗面所に向かった。


･


『…やっちゃったなぁ…』


湯船に浸かりながらぼーっと呟く。


今まで彼にあんな態度はとったことなかったし、


自分のとった行動で彼を傷つけてしまったんだろうなぁと1人で反省。


確かにずっとお友達の話をしていたけどいつも私を沢山甘やかしてくれて話を聞いてくれているのは彼だけなのに。


そう思うと自然と視界が潤んできた。

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