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任務が終わってからお店の位置情報に気づいて、それなりにちゃんとした店ということを知り大慌てで家に直帰して身支度する。とてつもなく行きたくなかったが帰るまでの執行時間が延びるなら……と浅はかな考えを抱いて個室に通された。
「お疲れサマンサ〜。ちゃんと来たんだ」
「あなたに脅されて来ない人はいませんよ……」
「ヤダ〜脅すなんて物騒なこと言うなよ〜」
五条さん曰くどうやらコース料理らしい。「飲み物だけ適当に頼んで」と言われてリキュールベースのアルコール度数の低いカクテルを注文した。グラスを合わせず、五条さんのを上に掲げて乾杯をする。味はしない。
「んで？ うちの七海に何してくれちゃったワケ？」
脅されて来たものの話しづらい。しかしここまで来て言わないなんて選択肢はない。それに私自身七海とのことを自分で抱え切るには限界を感じていた。腹を括るしかない。
昨日のこと、普段の七海とのやりとり、七海に感じている違和感。自分の中で整理をつけながら話した。そして話すほどにわからなくなっていく。七海は一体何を考えているんだろう。
五条さんは時折考えるような素振りを見せながら黙って聞いてくれて、私が話し終わるとドリンクを煽って一息。
「なるほどね。だいぶ七海も拗らせてるわけだ」
「……七海も……？」
顎に手を当てて、五条さんはつぶやいた。いつもの目隠しではなくサングラスのため、彼が俯くとチラチラと美しい碧が見え隠れしている。
「これは僕が言うべきじゃないと思ってたけど、聞く限り七海に伝える気配はないしこれ以上拗れるのは避けたいから僕が言うよ。まず七海はオマエを愛してる。それも死にそうなくらい」
「…………」
「オマエは本当にただの同期って理由だけでアイツが自分の人生を懸けてまでオマエを養護したと思う？」
絶句。深い沈黙が流れた。言葉が出ない。告げられたことに情報処理、感情、言葉、すべてが追いつかない。
七海が、私を愛している？ そんなことは一片も考えなかった。考えが至らなかったわけだが、言われてみればたしかに同期という理由だけで結婚までするのだろうか。五条さんの言うように元呪詛師の女と結婚なんて、人生を懸けるどころか棒に振る行為だ。堅実な七海が、そんなハイリスク・ノーリターンなことを果たしてするだろうか。
冷や汗が背筋を伝う。もし、もしその言葉が真だとすれば。私は自分の今までの言動が恐ろしくなった。
けれどそれならどうして私を恨んでいると言ったのか。昨日のあれは。半ば思考から逃げるように言った。
「……愛って何ですか？ もうわからないんですが……」
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墓場(プロフ) - Ａさん» レスするの忘れてました😭💦 (2023年2月4日 1時) (
レス) id: 95aead40e8 (このIDを非表示/違反報告)
墓場(プロフ) - コメントありがとうございます😭🙇🏻♀️夢主の優柔不断さが物語の肝になるのでちゃんと伝わっていて安心しました……コメントとても嬉しいです、！！ストーリーが地獄ですが最後まで見届けていただけるようがんばります。 (2023年2月4日 1時) (レス) id: 95aead40e8 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ - 七海の穏やかさが心に沁みました。最低な男に惚れてしまう私の優柔不断さも相まって、めちゃくちゃ感情移入してしまいました… (2023年2月4日 0時) (レス) @page1 id: f9229a002a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：相沢 | 作成日時：2023年1月21日 21時
