おまじない ページ14
「…ありがとう。送ってくれて」
退院して3日。私は未だに練習には参加できていない。
当然4月の春季リーグへの参加は出来なくなってしまった。
それでも迷惑を掛けたチームの皆の役には立ちたくて、球拾いやトス役をしている。
久し振りにプレーをするとと指先が少しジンジンして『バレーしてるな』という感覚が戻りつつあった。
退院した日から、マサは私を家まで送り届けてくれている。
最初は『いいよ』と断ったけれど、『俺がしたい』からと中々折れてくれず、有難くお願いすることにした。
「…上がっていく？」
「いや……そうしたいけど、明日早いから」
「そっか」
背の高い彼を見上げる。硝子玉のような瞳は相変わらず大きくて綺麗。
でも私が目覚めてから、とても不安げに揺れている。
「A…」
「なに？」
「……抱き締めたい」
返事の代わりに両手を広げると、そのまま二人の距離が0cmになる。
ふわりと香る彼の匂い。
「…どうしたの？」
返事は返ってこなかった。けれど強く抱き締められて少しだけ苦しくなる。
「……Aが俺を忘れないように」
「…おまじない？」
「そう。おまじない」
「忘れないよ…」
「…分かってるけど」
「ごめんね…」
「…もう俺から離れないでね」
小さな声だったけれど確かに聞こえた。その言葉に強く頷く。
"永遠"なんて言葉はないと思ってた。
そしてそれを私はこれっぽっちも信じていなかった。
けれど彼との永遠を信じてみたいとも思えた。
もう一度強く強く抱きしめ合う。
窓からは青白い月が覗いていた。
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華弥。(プロフ) - みかさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいです！これからもちまちま更新ですが、よろしくお願い致します。 (2019年12月6日 23時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
みか - めっちゃ好きになりました。 (2019年12月6日 8時) (レス) id: a8aa169b50 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - もちもちのき。さん» コメントありがとうございます(^^)嬉しいですー！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - リスと林檎さん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂いて嬉しいです！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します(^^)拝見させて頂きますね(^^) (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちのき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらってます〜 (2019年11月12日 4時) (レス) id: fc71b503ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2019年11月11日 21時
