検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:126,277 hit

59 ページ12

*



でも、ふと太輔さんが私の頭をぽんぽんってするから、ちょっと安心したりもして。

無言の中、ようやく広い駐車場に到着し、私達は外に出た。

気温は低かったけど、風がほとんど吹いてなくて、想像してたよりも寒くはなかった。


「いつ見てもきれい…」

「そうだね」


そう言ってまた何も話さなくなった太輔さん。

私は昼間と違う太輔さんに不安になっていった。


「太輔さ…

「Aちゃん」

「は、はい」


最初は横並びになって夜景を見てたけど、太輔さんはこちらを向いて私の名を呼んだ。


「もうわざわざ言わなくてもわかると思うけど」


何を言われるのかと不安になりながらも、私も太輔さんの方を向いて、お互い向き合った。


「好きだよ、すごく」


そう言うと私を優しく抱きしめてくれた。






そして私の言葉も待たないまま、話を続けた。


「だから早く北山って人をAちゃんの心から追い出して」


私は驚いて思わず顔を上げた。

太輔さんが気付いていたなんて。


「さっきの運転中、どうすればAちゃんが俺に夢中になるのか、ずっと考えてた」


ま、答えは出なかったんだけどって笑う。

すると両手で私の頬を包み込んだ。

ずっとポケットに手を入れてたせいか、温かくて大きな手。


「早く俺の事だけ好きになって」


そう言って優しくキスされて。

なんだか私は泣きそうになった。

二人ともこんなに真剣に私の事を考えてくれてるのに、私だけフラフラして。

申し訳なさでいっぱいになる。

60→←58



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (312 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
747人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

すいかちゃん(プロフ) - おもしろいです!パスワード教えて頂きたいです!! (2020年11月14日 23時) (レス) id: b78825ba85 (このIDを非表示/違反報告)
minako(プロフ) - はじめまして!パスワード教えていただきたいです!よろしくお願いします! (2020年10月20日 6時) (レス) id: 148bfcfe34 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまたまんごー(プロフ) - はじめまして、こんにちは!はまりましたー。メッセージがうまく送れなかったのでこちらからすいません。パスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします (2020年8月3日 7時) (レス) id: 45de3b0630 (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - amさん» ありがとうございます。メッセージ送りますね。 (2020年6月27日 21時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - パスワード教えていただきたいです!よろしくお願いします! (2020年6月27日 18時) (レス) id: c5bda67d9c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mai☆ | 作成日時:2019年12月30日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。