愛されたいのは 2

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声がした方を振り返って見ると、見た事ある人が立っていた。


「美加…」


ああ、そうだ、そんな名前だった。

あの時お店に来ていた、4人組の内の1人だ。

なんでここにいるの と思ったけど、きっと太輔さんを追っかけてきたんだろうな。

そして彼女を見る太輔さんの眉間にはシワが寄っていた。


「ずっと連絡してるのに、全然返事くれないじゃん」


側に近寄り抱きつこうとしてたけど、それをスッと避ける太輔さん。


「悪いけどお前に構ってるヒマないんだよ。
Aちゃん、行こう」


と私の肩を抱いて歩き出した。

するとその反対側の腕をつかんで、


「私、別れたと思ってないからね」

「勝手にしろよ」


と言い、その手を振りほどき早足で歩き始めた。

振り返ってその子の顔を見たら、私 すごい顔で睨まれてる。

すぐに目をそらしたけど…すごく恐怖を感じる。

嫉妬は人を狂わせるから。

そして太輔さんの顔を見たけど、口の端から笑顔は消え失せていた。









せっかく楽しかったのに、それからは太輔さんもほぼ喋らなくなっちゃって。

本当は出店でいろんな物買って食べたりしたかったのにな…


「ちょっとお店に入ろうか」


とちょうど目に入ったコーヒーショップに入った。

後をついてお店に入り、何がいい？って聞かれたけど…


「…帰りたい」


またあの子に会うのが嫌だ。

早くこの場から離れたい。

すると太輔さんは少し困った顔をして、ちゃんと説明したいって言った。

でもこんな人が多くてガヤガヤしたとこで聞きたくなかった。

そもそも私がこんな態度に出るのもおかしいよね。

だって私たちは彼氏彼女の間柄じゃないから。

太輔さんはお店の人にすみません、と一言言って私の手を繋ぎ店を出た。

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