愛されたいのは

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その声にびっくりしたのか、目をパッチリ開け飛び起きた北山さん。

「なんだ！？
あ？てかお前何してんの？」

「し、下で業者さんが待ってます！！」

「ああ、サンキュ」

そう言ってさっさと下へ降りていった。




なんだったの、さっきの。

本人、何も覚えてなさそうだったし、無意識でやった！？

かわいーな、お前って何！？

いつも憎まれ口しかたたかないくせに。





「どーしたの！？Aちゃん！？」

私の叫び声にびっくりした俊くんも飛び起きて、寝室に慌てて入ってきた。

ベッドの近くで髪が乱れた私の姿を見て

「きたみつに襲われた！？」

とか言ってくるし。

顔も赤くて髪も乱れて。

そう思われても仕方ない事になってるな、私。

「そんなわけないでしょ！」

「何にもないならいいけど…」

そう言って再びアニメへと戻っていった。






ちょっと髪を整えてお店に戻ると、届いた物をテキパキと仕分けしていた北山さん。

手伝おうかと思ったけど、今は休憩中だからちゃんと休んでよって言われた。

まるでさっきの事はなかったような態度。

これは完全に覚えないな…

「その代わり夜はコキ使うけどな」

ってケラケラ笑う。

「ひっど」

なんて会話をしながら過ごした。

そう言えば北山さんとこんな風にゆっくり話した事ないかも。

せっかくだからいろいろ聞いてみようかな。





「北山さんって何歳なんですか？」

お酒の瓶をきれいに並べ替えたりしたがらも、私の質問に答えてくれた。

私の予想では…俊くんは31歳だから、それよりは下だと思ってるんだけどなー

「34歳だけど？」

「えっ！？嘘ですよね？」

私は思わず目を見開いて驚いてしまった。

「なんちゅー顔してんだ。
なんで嘘つかなきゃなんねーんだよ」

ってこっち見て少し眉を下げて笑った。

あ、かわいい。

「いや、だってそんな絶対20代みたいな顔してっ」

「あー、まぁ童顔だとはよく言われるけどねー」

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