愛されたいのは

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触れるだけかと思ったら、髪の毛のカールを人差し指に少し巻きつけ、するりとほどいた。

男の人が女の子の髪の毛に触れるっていうのは、一体どういう心理？

人の髪の毛に触れるって言う行為は、少し特別な意味がある…って私は思ってるけど

太輔さんは違うかもしれない。

ただいつもストレートの髪を後ろで束ねてる私しか知らないから、きっと物珍しくて触ったんだよね。







それか…

太輔さんって、めちゃくちゃ女慣れしてるかもしれない。

まだ一人二人くらいしかつきあった事の無い私なんかとの食事で、果たして太輔さんは楽しいんだろうか？？


「行こうか」


と、ネガティブな思想に捕らわれてる私をよそに、太輔さんは歩き出した。

私はすぐにその後を着いていき、太輔さんの真横を歩いた。

何を話そうかと考え込んでいると、緊張してる？と太輔さんが話しかけてきた。

私もバカみたいにコクコクと頷くと、ふふっと笑って普通でいいのにって優しい笑顔で言った。

ああ、この笑顔よ。

胸がきゅーんってなる。






「ここでもいいかな？」

と太輔さんに連れられて来たのは地下にあるお店で、どんなとこなんだろうと思いながら階段を下りてお店に入ると

壁一面にきらめく水槽があり、店内は少し暗めの大人な雰囲気のある素敵なレストランだった。


「うわぁ、きれい…」

「女の子はこういうとこ好きかなと思って」


やっぱり太輔さんは大人だな。

こんなオシャレな場所もスマートにエスコートしてくれて…

しかもカップルシートに案内されてなんだか恥ずかしい。

太輔さんが近すぎる。







運ばれてくる食事も見た目もきれいで、どれも美味しくて。

太輔さんも私の緊張をほぐそうと、いろんな話をしてくれる。

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